名古屋市、湾岸エリアの市街化調整区域で物流施設開発の要件明確化

名古屋市、湾岸エリアの市街化調整区域で物流施設開発の要件明確化

2024年問題受けた「中継輸送」ニーズなど考慮

名古屋市は9月7日、自然や農地を守るため都市開発を制限している「市街化調整区域」のうち、湾岸部の「富田・南陽地区」について、物流施設に絞って建設を容認する方針を発表した。

同日、地区計画の運用指針を公表し、建設が可能な要件を明確化した。地方自治体が市街化調整区域に関し、物流施設に限定して開発可能な条件を明示するのは異例。

同市は2020年6月に取りまとめた都市計画のマスタープランで、市街化調整区域の土地利用に関し「IC周辺などにおいては、地域特性に応じて地区計画などを活用し、周辺環境との調和を保ちつつ、広域交通ネットワークを活かした物流施設などの土地利用を図る」方針を明示。市街化は抑制する基本方針を堅持しつつ、物流施設の立地を目的とする土地利用に対応する姿勢を打ち出していた。

同地区は2021年5月、名古屋第二環状自動車道が全線開通し、富田・南陽ICが新設されたため、中部エリアに加えて新東名高速道路などを通じ、全国へのアクセスが向上した。

今後、トラックドライバーの長時間労働規制強化に伴う物流現場の混乱が懸念されている「2024年問題」もあり、長距離輸送に「中継輸送」が広がるとみられており、名古屋市は中継輸送の拠点として物流施設のニーズが見込まれることなどから、ルールを明確化した上で物流施設の開発を積極的に誘致することにした。

運用指針は、物流施設を開発する要件として、対象の基幹道路に接していることや、原則として利用する土地の面積が1ha以上で整った形状となっていること、農業用地に当たっていないことなどを定めている。

愛知県内では三菱地所やラサール不動産投資顧問などが相次ぎ、大型の物流施設開発に乗り出している。市街化調整区域の運用指針明確化で、こうした動きがさらに加速する可能性がある。

(藤原秀行)

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