クボタと日本郵船グループ、フィリピン人船員の農機購入サポートを開始

クボタと日本郵船グループ、フィリピン人船員の農機購入サポートを開始

下船期間中の副業で収入安定と農業発展へ

クボタと日本郵船は10月27日、クボタとフィリピンの販売子会社Kubota Philippines(KPI)、日本郵船グループで船員向け金融プラットフォーム事業を展開するMarCoPay(マルコペイ)が10月に業務提携し、フィリピン人船員の農業機械(農機)購入サポートを同日開始したと発表した。

船員向けモバイルアプリ「MarCoPay」上でクボタの農機ラインアップやディーラーの紹介、様々な購入特典の付与、ビジネスモデル提案セミナーなどのサービスを提供。下船期間中に給与収入がなくなるフィリピン人船員に対し安定収入が得られる副業として農業を提案し、生活水準の向上を支援する。

併せて、稲作国のフィリピンで農機の普及を促し、新たな需要の掘り起こしと同国の農業発展支援を図る。


MarCoPayアプリ画面のイメージ

フィリピンは約20万人の外航貨物船員を輩出する世界有数の船員供給国。通常、船員は数カ月から半年以上にわたって乗船した後に下船し、一定期間休暇を取って、また乗船するサイクルを繰り返している。

フィリピン人船員は下船期間に船員としての給与収入がなくなるため、生活を安定させるために副業を持つケースがある。ィリピンでは稲作を中心に農業が盛んだが、依然として機械化が停滞している地域が多く残っている。こうした現状を踏まえ、新たなサービス提供に踏み切る。

提携を通じてKPIは海外就労者所得の農村地域への流入を促し農業機械化を一層推進。マルコペイはより多くの船員が農業ビジネスに取り組める環境を整えるため、農機購入時のローン提供や、その他農業関連サービスとの提携を模索する。併せて、フィリピン人船員とその家族へのアンケートや個別インタビューなどを通じて、船員の真のニーズを把握し、サービス内容の拡充や改善に取り組む。

「MarCoPay」アプリ上では船員が乗船中でも使用状況を遠隔確認できるGPS搭載のトラクタやコンバインなどを紹介。アプリで購入を検討し、クボタの農機を購入した船員に、GPS通信料の特別割引などの特典を提供する。

併せて、GPS搭載農機を購入し、船員自身や家族が使用するだけでなく、近隣農家に有償で貸し出して収入を得るなどのビジネスモデルを、セミナーなどを通じて提案する。「MarCoPay」アプリ上やマルコペイ社の外部媒体で、船員向けにクボタの農機の広告を掲載する。


ビジネスモデルの例


提携のイメージ(いずれもクボタと日本郵船提供)

(藤原秀行)

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