成城石井、「2024年問題」影響考慮し大阪市の臨海エリアで物流センター稼働開始へ

成城石井、「2024年問題」影響考慮し大阪市の臨海エリアで物流センター稼働開始へ

24年3月、西日本で店舗網拡張容易に

高級食品スーパーを展開している成城石井が大阪市内で2024年3月に新たな物流センターを稼働させる準備を進めていることが分かった。

これまでは神奈川県内の物流センターから大阪府摂津市内の拠点を経て、関西の店舗に商品を配送してきたが、大阪にも物流センターを構え、関西エリアの店舗配送を効率化する。

トラックドライバーの長時間労働規制強化に伴う物流現場の混乱が懸念されている「2024年問題」など、物流を取り巻く環境が厳しさを増しているのを考慮し、オペレーションを見直すことにした。

新たな物流センターは大阪市西淀川区でロジスティード西日本が展開している拠点の中にまず約5000㎡のスペースを確保。ドライ、チルド、冷凍の3温度帯に対応可能で、国内の加工食品に加え、海外から輸入した乳製品や海産物なども取り扱う計画だ。取扱量が増加すればスペースを拡張することも念頭に置いている。

成城石井は新たな物流センターの稼働で、拠点間の輸送便数を約3割減らせると想定している。輸送効率化で温室効果ガスの排出量も低減することにつながると期待している。

また、新たな物流センターの立ち上げで、西日本エリアで店舗を増やしやすくなるとみており、関西地区(中部・中国地方含む)は今後10年間で店舗数を現在の約60から2倍の120まで増やせると想定している。

西日本で物流を確立することにより、成城石井は震災で東日本の物流が混乱した場合にも自社の物流ネットワーク全体への影響を最小限にとどめ、BCPに注力できると考えている。

成城石井は1927年設立。現在は全国に約200店舗を展開している。

(藤原秀行)

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