エアロセンス、静岡県が実施した駿河湾横断のドローン医療機器配送実験に参加

エアロセンス、静岡県が実施した駿河湾横断のドローン医療機器配送実験に参加

垂直離着陸型固定翼機を投入、伊豆半島まで36km無事飛行

ドローン開発を手掛けるエアロセンスは3月12日、静岡県が3月8日に実施したドローンによる医療機器の長距離輸送実証実験に参加したと発表した。

垂直離着陸型固定翼ドローン(VTOL)「エアロボウイング」の運航を担当した。


駿河湾を横断飛行後、着陸状態のエアロボウイング

静岡県は次世代エアモビリティ産業を創出し新たな企業の参入や産業集積を推進、無人航空機(ドローン)や空飛ぶクルマなどを活用した新しいビジネスモデルの確立と社会実装を目指しており、今回の実証実験もその一環。

医療機器の長距離輸送にフォーカスし、ドローン配送時の受注から引き渡しまでの運用とコストを検証、商用化するのを目的としている。

当日は静岡市内の医療機器商社(図A地点)を離陸し、飛行を開始。大谷川沿いを南下後、駿河湾を横断し沼津市内の海水浴場の駐車場(B地点)まで約36kmの距離を時速約70kmで飛び、約35分で目的地に医療機器を配送、成功した。

なお実証実験は当初、3月7日を予定していたが強風のため8日に延期、あらためて実施した。


飛行ルート

静岡県は次世代エアモビリティ産業の実現化に向け、無人飛行機の試験飛行を行うことが可能な場所を拡充しようと旧三保飛行場を実証フィールドに設定。伊豆半島が災害で孤立した場合にドローンを活用し遠隔で被害状況確認や物資輸送などに当たることができるよう検討を進めている。

エアロセンスは現在次世代の大型VTOLの開発に着手しており、2025年以降、ハイエンド機体として製品ラインアップに追加する予定。実証実験の代表事業者のHMK NEXUS(静岡県浜松市)と協力し、今後も静岡県のプロジェクトへ積極的に参加する構え。

エアロボウイングは長距離、広範囲の飛行が可能な特徴を生かし、これまで砂防、道路、送電線の点検などに活用されている。今回実施した物流の実証実験でもその有効性が確認できたため、エアロセンスは今後も同様の実験に協力し、長距離・広範囲のドローン物流や点検の普及を図る。

(藤原秀行)※いずれもエアロセンス提供

テクノロジー/製品カテゴリの最新記事