早期の社会実装目指す
JX石油開発と日本郵船、同社関連会社のKnutsen NYK Carbon Carriers（クヌッツェン・エヌワイケイ・カーボン・キャリアーズ、KNCC）は3月21日、KNCCの独自技術「カーゴタンクシリンダー」（CTC）を活用したCO2の液化・貯蔵プロセス最適化に関する共同検討の覚書を締結したと発表した。
低温低圧（LP）方式や中温中圧（MP）方式と比較して、高い温度・圧力で液化CO2を貯蔵・輸送する常温昇圧（EP）方式の特徴を活用。CTCを駆使してCO2輸送システムを最適化することを目指す。
EP方式は回収したCO2を地下貯留する手法「CCUS」の実用化を図る上で見込まれる設備投資・エネルギー消費・環境負荷などの課題の解決策の一つになると見込まれる。
3社はKNCCがノルウェーに保有するCTCの実証試験設備「テストリグ」を活用し、2024年後半までに最適化を検証。その結果を踏まえて、次の段階として社会実装の可能性を具体的に検討する予定。
KNCCの実証試験設備
各社の役割分担
|
社名 |
役割 |
|
JX石油開発 |
CCUS事業に関わる知見提供とプロセス検証の実施 |
|
日本郵船 |
全体方針策定、実現性・妥当性評価 |
|
KNCC |
液化CO₂輸送船に関する技術・法規的知見の提供およびEP方式の液化プロセス検証の実施 |
CCUS展開のイメージ（JX石油開発と日本郵船提供）
（藤原秀行）
