運行管理高度化を支援
クラウド録画サービスのセーフィーは3月25日、アルコール検知システムなどを展開している東海電子の点呼システム「e点呼PRO」と連携を開始したと発表した。
運輸業界における人手不足の解消や運行管理の安全性向上を目指す上で、遠隔点呼の活用をスムーズに実現するのが狙い。改正旅客自動車運送事業運輸規則の4月1日施行に基づき、貸切バス運転士の乗務前後における「デジタル点呼記録」が義務化されるのにも対応可能。
過労運転などの事故を防止するための「点呼」業務は従来、対面実施が原則のところ、カメラやモニターを介した「遠隔点呼」が「対面点呼」と同等の扱いとなり、その活用が拡大することが見込まれている。
遠隔点呼は早朝や深夜の勤務における点呼執行者(運行管理者または補助者)を各営業所に配置せずに済み、営業所と車庫が離れている場合でも移動時間が削減できるため、業務負担の軽減につながると期待されている。
一方、遠隔点呼を実施するためには、実施営業所などにカメラなどの動画撮影可能な機器を設置し、運転者の全身とアルコール検知器の使用時の状況が確認できることが施設・環境要件として定められており、点呼現場でカメラなどを導入する負担が生じている。設置の手軽さや導入の容易さが現場で求める声が出ていた。
セーフィーは映像データを防犯用途だけでなく、遠隔での状況確認や映像解析による業務効率化・異常検知など様々なソリューションとして提供し、あらゆる業界の現場DX支援に注力している。東海電子の点呼システムと連携することで、クラウド録画サービス「Safie」の映像データを活用して1つの営業所と他の離れた営業所や車庫間での遠隔点呼を実現。その状況記録を含めた必要な点呼記録を「e点呼PRO」上で一元管理できるようにする。
運行管理者の業務負担軽減やスムーズな点呼記録の管理を実現できるとみている。
e点呼PRO上のカメラアイコンから設定されたカメラの点呼時映像が振り返り視聴可能に(左)/ e点呼PRO上のカメラアイコンから設定されたカメラのリアルタイム映像が視聴可能に(右)(セーフィー提供)
「デジタル点呼記録」のうち、点呼時の録音および録画を実施し90日間記録を保存することや、アルコール検知器の使用時の写真撮影と90日間の記録保存(点呼時に録画している場合を除く)に対応する。
(藤原秀行)