「見ればわかる化」サイン
現場の安全を守り収益化へ
──ロジテムエージェンシー株式会社 導入からの軌跡──
ロジテムエージェンシー株式会社は、日本ロジテム株式会社の子会社で、主に食品メーカー様向けの業務請負や人材派遣、オフィス家具の販売・設置を手掛ける会社だ。そのロジテムエージェンシー株式会社が、新規事業として、株式会社アイエヌジーが提案する、特許技術
「スマートペーパー」を活用した「見ればわかる化」サインのデジアナプリントシステム(DAPS)を導入し、「スマートマーク」という名称で事業を展開・拡大している。
2015年、ロジテムエージェンシー株式会社代表取締役。23年、日本ロジテム株式会社上席執行役員 営業本部副本部長。24年、同取締役 上席執行役員 管理本部長。現在に至る。
大貫俊幸(おおぬき・としゆき)
2020年、ロジテムエージェンシー株式会社入社。21年、新規事業として開始したスマート
マークを担当。22年、スマートマーク課発足と共に、同課長就任。24年、同課長と
平和島事業所所長を兼務。現在に至る。
ロジテムエージェンシー株式会社は、DAPS導入後、国際物流総合展への出展をきっかけにスマートマークの認知度が高まり、2年半で200カ所を超える現場の施工を行うなど、事業拡大を続けている。
今回、その発展の軌跡をたどるべく、導入当時、ロジテムエージェンシー株式会社の社長を務め、現在は日本ロジテム株式会社の取締役である小山内雅紀氏と、担当責任者の大貫俊幸氏にお話を伺った。
従業員の安全を守り、将来につながる事業
──スマートマーク事業との出会いは?
小山内 ロジテムエージェンシーは、日本ロジテムグループの中でも新規事業に挑戦しやすい会社です。特に物流関連業でなくとも、コンプライアンスを順守し、収益性が見込めるものであれば、積極的にやってみようという会社です。
元々は関西に拠点を持つ、同じ日本ロジテムグループの阪神ロジテム株式会社から、スマートペーパーを使った「見ればわかる化」サインの話を聞いたことがきっかけです。その後アイエヌジー社の動画を見たところ、この技術を活かした事業に魅力を感じ、ほぼ即決で導入を決めました。
──この事業の何が魅力的でしたか?
小山内 倉庫内の様々な表示を、多色刷りでデザインも自由にできるということ。加えて耐久性に優れ、フォークリフトで踏んでも剥がれにくいこと。仮にマークの一部が破損してもその部分だけ補修できること。その一方で撤去時は容易に剥がせるなど、表示に関する様々な悩みの解決ができる技術に魅力を感じました。潜在ニーズが高く、さらにメンテナンスまでを考えれば、サステナブルな事業になると思いました。
そして特に、これで労災事故の防止が期待できるのではないかということを考えました。
社員の安全を守りたい。とにかく労災を防ぎたいという気持ちが強かった。倉庫内の荷役の際のケガや、荷役機器との接触事故が起こった時期もあり、もっと効果的に安全を訴求できる手段はないか、というのは大きな課題でした。
倉庫内の表示に使用するラインテープの非効率さにも日ごろからモヤモヤしていました。安全のために何度も貼り直す必要があり、これではダメだと感じていました。
通常、テープの貼り直しなどの安全対策は、予算を組むことはなく、備品や消耗品費の中で賄っています。作業費も発生していますが、費用の見える化ができておらず、意外に大きなお金を使っています。また何度やってもやり直しになるため、従業員も嫌気がさしてしまいます。
日本ロジテムグループは「安全を全てに優先する」というスローガンを掲げています。
安全を確保できていないと、従業員は離れていってしまいます。人手不足に陥ることを避けるためにも、まずは安全を打ち出す必要がある。こうした点から、この事業は従業員の安全を守り、将来につながるものであると考えました。
──今、スマートマークを担当している方々へのメッセージはありますか
小山内 私は、日本ロジテムに異動になってしまい、少し心残りなこともありますが、せっかくのいい商材なので、この事業を楽しみながら、大きくしていってほしいと思います。
後任の酒井直樹社長は物流業や海外経験も豊富でヴァイタリティ溢れる人物です。彼ならこれから先、もっともっとこの事業を大きく発展させてくれると確信しています。
また、大貫課長はじめ、担当の皆さんは、事業開始からたった1、2年の間にこの事業を物凄く進化させました。新しい商材に真剣に取り組み、お客様と向き合って、改善と改良を重ねて今があると思っています。これから先の活躍に大きな期待をしています。
三井物産流通グループ株式会社
お客様の安全に貢献したい
──導入当時はどんな状況でしたか
大貫 当社は、新規事業にも積極的に挑戦する会社です。スマートマーク事業は、新たな分野への挑戦でしたが、「お客様の安全に貢献したい」という想いからスタートしました。
当初は、物流に関する知識も経験も乏しく、スマートマークの印刷機器を扱うのも初めてでした。導入研修も、未経験者3名で受講するなど、手探りの状態からのスタートでした。しかし、この商材には大きな可能性を感じていたため、「まずはやってみよう」という気持ちで、一致団結して、事業に取り組みました。
──どのような過程を経て200社を超える施工に至りましたか
大貫 物流業界は未経験で、倉庫の知識も乏しかったため、お客様と安全対策についてお話する際も、教えていただくことが多くありました。 当時は商材への認知度が低く、「倉庫内表示の課題解決と言われても……」と半信半疑のお客様も少なくありませんでした。しかしながら実際は、多くのお客様が倉庫内表示に関する課題を抱えており、「まずは試してみよう」というお気持ちで導入を検討してくださいました。
お客様の中には、これまで様々な商材を試されてきた結果、「どうせ、そこまで剥がれないものなんてないだろう」という方もいらっしゃいました。しかし、実際に施工してその効果を実感していただいてからは、お客様と一緒に現場にとって最適なソリューションを検討し、共に課題を解決していくことになりました。
現場には、フォークリフトの往来や荷物の配置など、安全性や作業効率を考慮すべきポイントが無数に存在します。お客様のご要望を丁寧にヒアリングし、私たちの提案と経験を組み合わせることで、それぞれの現場に最適な施工を提供してまいりました。
この商材の魅力に共感し、積極的に導入を検討してくださるお客様もいらっしゃいます。そのようなお客様とは、密なコミュニケーションを通じて信頼関係を築き、ご納得いただけるまで、ご提案を続けてまいりました。その結果、お客様から社内へ口コミで広げていただき、全拠点への導入に繋がったケースもございます。
大規模な物流会社様の場合、拠点は全国に点在し、予算も拠点ごとに管理されていることがほとんどです。しかし、ある拠点の担当者様から高い評価をいただき、それが別の拠点の担当者様に伝わることで、翌年の予算に組み込んでいただき、順次施工を進めることができたという事例もございます。このようなお客様との信頼関係の構築が、現在の継続的な受注に繋がっていると考えています。
そして、事業開始から3年が経過し、施工事例も増加したことで、既存のお客様の施工現場をご覧になった方から、新規のお問い合わせをいただく機会も増えてまいりました。
現在、協力会社を含めてスタッフは総勢30名ほどの規模にまで成長しました。営業担当は4名体制となり、印刷業務を専門に行うスタッフが4名、合わせて8名ほどのチームで事業を推進しています。残りのスタッフは、それぞれの専門性を活かしながら、協力会社と連携して業務にあたっています。
営業担当は、現場施工から顧客対応、事業戦略まで、幅広い業務に携わっています。一方、オフィス什器の販売など、他の事業と連携しながら、スマートマーク事業の印刷業務を分担するなど、柔軟な体制で業務を効率化しています。
当初は、新しい事業ということもあり、社内でも様々な意見がありました。しかし、開始1年目から黒字化を達成し、安定した収益を生み出すまでに成長しました。売上比率で見ても、当初は人材派遣等の既存事業が9割を占め、スマートマーク事業はわずか1割程度でしたが、今ではその差は縮まりつつあります。会社からの期待もますます高まっていることを実感しています。
三井物産流通グループ株式会社
「見ればわかる化」サインの効果
──お客様の現場に行って、うれしいと思うことはありますか
大貫 この商材は、その強度の高さはもちろんのこと、フルカラーで表現できる点も高く評価されています。単にカラフルなだけでなく、ラミネート加工のような色褪せた印象のない、鮮やかで美しい発色が特徴です。
また、施工時間が短いことも大きなメリットです。従来の製品と比べて、業務を中断する時間を大幅に短縮できるため、お客様から大変喜ばれています。「急ぎでラインを引き直したいけれど、業務を止めるわけにもいかない…」そんな切実な悩みを抱えていたお客様にも、スマートマークは選ばれています。短時間で施工できるため、お客様の緊急のニーズにも対応でき、大変喜んでいただいております。
消火器前など、安全確保のために重要な場所への施工も多くご依頼いただきます。従来はラインテープで×印などを表示していた部分も、スマートマークで視覚的に分かりやすく表示することで、お客様はもちろん、現場を訪れる第三者の方々にも注意を促す効果があります。特に、シャッター下などに大きく表示することで、その効果はさらに高まります。
お客様からは、「スタッフの行動が変わりました」「モノが置かれなくなりました」「倉庫が整理整頓されました」といった喜びの声を多数いただいています。実際に現場に足を運ぶと、以前は置かれていた荷物がなくなり、フォークリフトも決められた位置で停止しているなど、お客様の言葉が実感として伝わってきます。その変化を目の当たりにするたびに、この仕事の意義を感じ、心からうれしく思います。
人の出入りが激しい物流現場では、新入社員への教育や、ベテラン社員への注意喚起なども重要な課題です。スマートマークを導入いただくことで、言葉で細かく指示せずとも、現場に注意事項を明示できるため、安全意識の向上に繋がると好評です。
成長を続ける事業へ
──今後については
大貫 現場の自動化が進む中で、私たちはこの事業に大きなチャンスを感じています。自動化に伴い、お客様からこれまで以上に多様なニーズが寄せられるようになりました。この変化を確実に捉え、お客様の期待を超えるソリューションを提供していくことが、今後の成長に不可欠だと考えています。
現在、4名の営業担当が全国を飛び回る状況ですが、事業の拡大に伴い、人材育成は急務です。一人でも多くの仲間を育て、より多くの地域のお客様に、高品質なサービスを提供できる体制を構築していきます。そして、将来的には、現在の課から部への昇格を目指し、組織としてのさらなる成長を実現したいと考えています。
直近では、名古屋に新たな営業所を設立することが決定しています。これは、私たちにとって大きな前進です。将来的には、東京、大阪、福岡、そして日本ロジテムグループの倉庫がある主要都市にも拠点を構え、全国規模で事業を展開していく構想を描いています。
株式会社サンロジスティックス
国際物流総合展2024出展に向けて
──9月の国際物流総合展2024への出展に向けて何かありますか
大貫 「ヒヤリハットを減らしたい」「労働災害をなくしたい」──そう願うお客様は少なくありません。私たちは、その切実な想いに応えるべく、耐久性と視認性に優れた製品を提供しています。
お客様からは、「現場が明るくなった」「注意喚起がしやすくなった」「作業効率が向上した」といった喜びの声を多数いただいております。ぜひ一度、展示ブースにお越しいただき、お客様自身の目でその品質を実感してください。
私たちは、お客様とのコミュニケーションを何よりも大切にしています。お客様の立場に立ち、現場の課題を共有し、共に解決策を見出すことが、私たちの使命です。お客様の現場の安全を共に守り、より安全で働きやすい環境づくりに貢献していきたいと考えています。
株式会社サンロジスティックス
(2024年9月10日~13日/東京ビッグサイト 出展場所:東館ホール8-211)
【お問い合わせ】ロジテムエージェンシー株式会社
TEL:0120-801-503
E-mail:smartmark@logitem.co.jp
お問い合わせ先
株式会社アイエヌジー
URL:http://ing-global.net/
大阪市中央区船場中央3-2-8 船場センタービル8号館305号
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