走行距離算出のシステム整備に想定より時間
東日本、中日本、西日本の高速道路運営会社3社(NEXCO)は12月25日、2024年度末ごろのスタートを目指していた高速道路の深夜割引料金見直しに関し、25年7月ごろに延期すると発表した。
3社は理由について、料金割引の計算に必要な走行距離を算出するシステム整備に当初の想定よりも時間が掛かっているためと説明している。
深夜割引は並行する一般道路の混雑緩和促進のため、午前0~4時の間、高速道路をETCで通行する車両を対象に3割引きを実施している。しかし、対象時間帯に少しでも走れば午前0時までや午前4時以降に走行した分の料金も割引対象となるため、深夜割引となる時間帯を待つトラックなどでIC付近が渋滞していた。
3社はこうした状況を改善し、トラックドライバーの負荷軽減へ深夜の走行を抑える必要もあると判断。割引適用時間帯の走行分のみ3割引きするよう変更するとともに、割引適用時間帯は現行の「午前0~4時」を「午後10時~翌朝5時」へ拡大する方針を決定した。
料金割引は後日還元する方式に変更。利用者はETCでいったん通常料金を払った後、「ETCマイレージサービス」などで割引分を受け取る。走った距離は高速道路に設置している専用アンテナなどで割り出す。
また、割引適用時間帯に走行距離を伸ばそうとドライバーが速度超過するのを抑えるため、1時間当たりの割引対象距離を大型トラックなどは最長で90km、軽自動車や普通自動車などは105kmと設定する。
3社は同日、新たな割引料金を試算できるサービスを、各社が展開している料金・走行ルート検索サイトで始めたことも公表した。
(藤原秀行)