製造拠点を転用、物流のアウトソース需要獲得図る
大日本印刷(DNP)は3月28日、グループの物流企業DNPロジスティクスと連携し、東京都板橋区東坂下で4月1日にメディカルヘルスケア業界向けの物流拠点「小豆沢(あずさわ)センター」を開設すると発表した。
強固なセキュリティ管理体制を備え、「医薬品卸売販売業」と、医薬品の包装・法定表示を製品に貼付するなどの「医薬品製造業(包装・表示・保管)」の許可を取得済み。
DNPロジスティクスは製薬会社や検査薬・医療機器のメーカーなど向けに、医薬品・医療機器の保管からセット作業、配送まで対応する「メディカル物流アウトソーシングサービス」を提供、各企業の間接業務削減や物流の効率化・コスト低減を後押しする。そのために同拠点を積極的に活用していく構えだ。
小豆沢センターの外観
小豆沢センターの業務風景(いずれもDNP提供)
新拠点は商業印刷向けの製造拠点をメディカル物流の施設に転用している。
従来は医薬品と別に保存・管理していた販促物を小豆沢センターの1カ所でセットアップして配送できるようになり、配送・管理のコストやリードタイムの削減、医薬品納入先の店舗へのサービス品質の向上につなげられると見込む。
検査薬メーカーに代わって、人手を要する診断薬キット部材の検査・封入を担い、直接工場に納品することで、工場での検査工程の手間低減と、診断薬キットの生産効率向上も可能とみている。
DNPロジスティクスは医薬品・医療機器・化粧品などの各種許可を得た日本国内6拠点(草加・川越・小豆沢・中部・関西・九州)を生かしてメディカル物流アウトソーシングサービスを展開している。医薬品・医療機器の保管から、二次包装・流通加工、輸送、販売(通販受託/2025年度内に開始予定)まで対応し、サプライチェーンに応じたアウトソーシングのサービスを展開している。
医薬品流通でDNPロジスティクスの東西拠点と全国の物流網を活用し、自然災害時などのBCP需要もカバーする。
DNPロジスティクスは「メディカル物流アウトソーシングサービス」を提供し、2030年度に年間30億円の売り上げを狙う。また、「小豆沢センター」での「医療機器製造業」と「医薬品店舗販売業」の許可取得を目指す。
(藤原秀行)