川崎重工とNSユナイテッド海運、船の係留ロープ管理システムの共同実証開始

川崎重工とNSユナイテッド海運、船の係留ロープ管理システムの共同実証開始

離れた場所から張力の監視可能、船員の安全監視手間軽減

川崎重工業とNSユナイテッド海運(NSU)の両社は5月14日、NSUが運航するばら積み船「SAKURA BRIGHT」(サクラブライト、積載重量9万9623t) に、川崎重工が開発した係 船索張力監視装置「MOMOSEA」(モモシー)を搭載し、船舶が安全に港に停泊できるよう、船体を岸壁につなぎ止めるための係船作業をする「係船管理」の安全性向上・高度化を図る共同実証を4月27日に始めたと発表した。

MOMOSEAは船舶を岸壁に係留する係船索(ロープ)の張力を、係船機から離れた場所で監視できる装置。現場の安全性向上と作業の効率化を後押しする。


SAKURA BRIGHT

係船索は急激な気象や海象の変化により過剰な張力が掛かって破断すると、非常に強い反発力が生じるため、付近の船員・作業員に接触した場合、人命に関わる大きな事故になる危険性があった。

また、潮汐や風、荷役の影響で係船索の張力は常に変化するため、船員は昼夜・天候を問わず、船舶の甲板上を1~2時間ごとに巡回し、係船索の張力の状態を目視や音で確認するなど、係船索の管理は船員の負荷が大きく、改善が急務だった。

川崎重工は国内海運会社の協力を得ながら、日本国内の航路で運航している内航船で基本性能を確認するための実証試験を重ね、2024年に「MOMOSEA」を製品化した。


MOMOSEAの使用イメージ


係船索張力の計測データ可視化のイメージ

今回の共同実証は、外航船でも同装置の有用性を評価し、実用化につなげることを目的に設定。特にNSUの運航船が多く入港するオーストラリアの各港は潮流や喫水の変化により係船索の張力が大きく変動する特徴があるため、これまで船員の経験に依存していた係船索張力の管理をデータ化して、正確に管理・運用できるかどうかを重点的に検証し、実用化を目指す。

(藤原秀行)※いずれも両社提供

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