物流などの実環境で実証想定
東京大学とTOPPANホールディングスは6月15日、AIの基礎研究から社会実装に向けた応用技術の研究開発までを推進する「AIイノベーション研究センター」を7月1日付で開設すると発表した。
TOPPANから東大に10億円を寄付し、運用益を事業財源として活用する「エンダウメント」(大学独自基金)型の研究組織として展開する。センター長はAI研究で名高い東大大学院工学系研究科の松尾豊教授が就任する。
東大が有する最先端のAI関連技術・研究開発力をさらに強化し、民間企業などが培ってきたさまざまな事業領域における実務知やデータを活用して社会実装を推進する。
日本の産業競争力強化を後押しするとともに、AIが人々の生活を豊かにする「ウェルビーイング」な社会の実現を目指す。

センター開設を発表する東大の藤井輝夫総長(左)とTOPPANホールディングスの大矢諭社長COO(最高執行責任者)
TOPPANグループと東大は2024年10月、社会連携講座「サプライチェーンの全体最適の科学と実践」を開設、講座長は松尾教授が務めてきた。
企業の販売実績やプロモーションデータ、製品情報に加え、間接的に影響を及ぼす可能性のある多様なデータを活用し、需給最適化に貢献するAI技術の共同研究を推進してきた。
こうした連携をさらに発展させるため、研究センターの開発に踏み切った。
急速に進化するロボティクスやモビリティ、高度な判断が必要とされる医療・ヘルスケア、サプライチェーンマネジメント(SCM)、新規材料の開発や設計などの分野で、最先端AIの産業実装の推進と業界横断的な生産性の向上を促進することを狙う。
加えて、理論と実践を往還する研究プロセスそのものを人材育成の場と位置付け、各分野でAI時代の変革を主導する次世代リーダーを輩出して、AIによるイノベーションが社会に広く浸透し、安全・安心で豊かな未来社会の構築に寄与することを目指す。

工学分野の実践例
27年度以降に実環境で検証・効果測定を進め、研究を段階的に深化させるとともに、関連分野との連携を強化しながら研究領域の拡張を図る。
データ基盤の整備から社会実装までを一貫して進めることで、物流・製造・医療ヘルスケアなど、複数の産業分野での実環境実証や、プロダクト開発につなげていくことを想定している。
(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用








