需要家の初期負担なしに脱炭素促進
東京証券取引所は6月25日、太陽光発電などを手掛けるアイ・グリッド・ソリューションズ(東京都港区虎ノ門)のグロース市場への新規上場を承認した。上場は7月29日付。
2004年に発足したコスト削減のソリューションを提供する「コスト削減総合研究所」が前身で、15年に現社名へ変更。小売電気事業者の登録を得た。
物流施設や商業施設などの屋根を借りて太陽光発電システムを設置し、生み出した電力を施設利用企業などに供給する「オンサイトPPA」サービスを展開。電力を利用する需要家が初期負担なしに脱炭素を進められ、電気料金も抑えられる点が評価され、今年3月末時点の累計でオンサイトPPA形式の太陽光発電設備を導入した施設が1410、総発電容量は約357MWに及ぶ。
太陽光発電システムはアイ・グリッド・ソリューションズが運営するのが主流だが、協業している提携先などが所有しているケースも増えている。施設で使いきれない余剰分の電力も蓄電池を生かして他の企業に売電するなど、有効活用している。
近年は大規模な太陽光発電システム「メガソーラー」の開発が広がる一方で、森林伐採などの環境・景観破壊が深刻化している。アイ・グリッド・ソリューションズは既存の建物を有効活用することで環境破壊を伴わずに再生可能エネルギーの利用拡大を後押しできると意義を強調。「オンサイトソーラーは日本中の多くの屋根が設置対象となり得る」との見解を示しており、物流施設も引き続き、有力な設置領域とみている。
26年3月時点で伊藤忠商事が21.75%を保有する筆頭株主となっているほか、THE FUND投資事業有限責任組合やES&Gパートナーズ投資事業有限責任組合、関西電力なども出資している。伊藤忠と連携し、商社ネットワークを生かしたオンサイトPPAの積極提案や太陽光パネル・蓄電池といった資材の調達効率化を図っている。
25年6月期の売上高は229億3900万円、当期純利益は15億9558万円だった。業績予想は26年6月期が売上高254億6400万円、当期純利益17億2300万円、27年6月期が309億6600万円、21億4000万円と開示している。
(藤原秀行)









