物流のデジタル変革を3カ月で実現する
モビリティ業務最適化クラウド「Cariot」
「脱・アナログ物流」で実車率向上へ
──フレクトが提供するクラウド型サービス「Cariot」の導入企業数がこの2年で約7倍にも増えています。
フレクト 黒川幸治 代表取締役「当社はクラウドの先端技術とデザインを活用してIoT/モビリティを中心としたお客様のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援しています。Cariotは新規事業として2016年に開始し、人とモノの移動、いわゆるモビリティ業務の最適化を支援するクラウドサービスとして提供をしています。荷主様、運送会社様、倉庫会社様の稼働率の最大化を実現するサービスです。売上増やコスト削減など、事業収益の向上につながります」
「ドライバー不足の背景には長時間労働と低い生産性があります。クルマと働く人の情報のつながりが断絶していることが大きな原因の一つです。端的には、クルマが今どこにいて、いつ目的地に着くのか、どれくらい遅れているのか、リアルタイムな情報共有ができていないために、無駄な待ち時間や非効率なコミュニケーションが発生しています。このような課題をIoTで解決したいと純粋に思ったことがCariotを事業化したきっかけです」
「導入企業が増えているということは、それだけ物流に対する危機意識が高まっている表れだと思います。荷主にとって物流が維持できなくなることは当然ながら大変な脅威です。これまでのように丸投げのままではとてもいられない。大手荷主は『ホワイト物流』推進運動にも対応しなければならない。コンプライアンスの点では現場の実態を把握しておかないと、自らに責任が及ぶ時代になりました」
「物流企業もまた、働き方改革を否応なく進めていかなくてはいけません。2024年4月にはトラックドライバーの残業時間に上限が設けられます。残業を減らすには生産性を上げるしかない。現状は、毎朝の車両の点検から運行指示書、伝票のサイン、作業報告に至るまで、紙を中心としたアナログな業務になっています。こうした非効率な作業をデジタル化することで、毎日多くの時間を費やしていた業務が効率化されます。ドライバーはもちろん、配車係や管理部門の残業まで減らすことができます」
──物流企業のDXは今のところコンセプト先行で具体性を欠いています。
「デジタル化は目的ではなく、あくまで手段です。Cariotのユーザーアンケートによると、ユーザーの具体的な導入目的は、多い項目順に『遅延対策』『事故削減・コンプライアンス』『車両位置の見える化』『管理自動化』となっています。そしてCariotの導入から3カ月目には85%以上のユーザーが効果を実感したと答えています」
「導入から1カ月の段階で既に7割以上のユーザーが想像以上の成果を実感しています。走行データを見える化し、日々蓄積していくことで、配送ルートの問題点やドライバーごとの業務負荷が把握できるようになります。それを元に2カ月目には8割強のユーザーが実際に改善プランを策定しています。そして3カ月目にはその効果が数字として表れてきます。端的には実車率が上がります」
DXのPDCAプラットフォーム
──費用対効果は?
「Cariotはクラウドサービス、いわゆる『SaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)』です。何カ月も掛けてシステムを開発したりパッケージを導入したりするのとは違って、イニシャルコストはほとんど発生しません。社内に技術要員を抱える必要もありません。費用はデバイス代と毎月のシステム利用料だけです。導入は5台から、小さい規模から始められます。効果もすぐに確認できますから、投資リスクを最小限にできます」
「特定のセンターの特定のルートを選んで、どう走っているのか、どこに非効率があるのか、まずは現状を把握する。それを分析して改善して効果を検証する。その結果、効果を確認できたら、それを元に対象を広げた時の効果を試算する。1000台以上を運用するような大手でも、そうやって最初は数十台で試して効果を確かめながら次は数百台と、段階的に拡大していくケースが多いですね」
──運用担当者にIT知識がなくても使いこなせるものでしょうか。
「お客様が利用を開始した当初の3カ月間は、オンボーディング(on-boarding)と呼んでいますが、カスタマーサクセス部門の担当者が具体的な成果を出すところまでサポートします。通常プランであればサポート費用は無料です」
──他のクラウド型配車管理システムと比較した時のCariotの特徴は?
「他社製品の多くは走行情報をデジタル化するだけです。それに対してCariotのプラットフォームにはDXを具体的に進めていくPDCAサイクルが組み込まれています。最初に『実行(Do)』を見える化して、溜まったデータの結果を『分析・評価(Check)』し、『改善(Action)』し『計画(Plan)』する。このサイクルを繰り返すことで最適ルートを生成して業務の最適化を進めていきます」
「『P』だけ『D』だけに寄与する製品は他にあっても、PDCAをワンストップで運用できるのはCariotだけです。4月リリースの新機能には、AIで最適ルートを設計してその改善効果を試算し、各車両の配送ルートを地図上で重ねてエリアの重複を視覚的に見つけ出すといった様々な分析用アプリケーションを用意しています。すべて毎月のソフトウエア料金で自由に使うことができます」
「これまでさまざまなお客様のDXを支援してきた私たちの経験とノウハウをそこに反映しています。しかもCariotは他のクラウドシステムと比べてリアルタイム性が格段に優れています。車両の位置情報は3秒ごとに更新されます。それが遅延対策など運行管理に効果を発揮するのはもちろん、何より画面を見ていてストレスがありません。デモを体験したらきっと感動してもらえるはずです」
株式会社フレクト Cariot 事業部
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