過去最多、今後も同じペース継続目指す
大和ハウス工業は8月20日、物流施設事業の開発方針に関する記者説明会をオンラインで開催した。
2021年度は「DPL」ブランドのマルチテナント型物流施設をトータルで30棟着工することを明らかにした。総延べ床面積は179万9000平方メートルを見込む。年度ベースでは過去最多の棟数となる。
3月に公表した時点からは、開発スケジュールの変更などで2棟減ったが、19年度の着工実績が14棟(総延べ床面積117万4579平方メートル)、20年度が24棟(163万8000平方メートル)で、21年度はさらに開発ペースを加速していくことがあらためて示された。
同社建築事業本部の手塚公英Dプロジェクト推進室推進グループ長は「次年度以降もこれくらいのペースで、年間30棟程度を続けていこうと思っている」と積極的な開発姿勢を強調。
また、「岩手県の入居が非常に好調で、このエリアはさらに案件を増やしたい。九州地区も個人的には中部エリアより市場性が高いと思っている」と述べ、先進的物流施設の需要が見込める岩手県や九州のエリアに注目、今後も案件を手掛けていくことに強い意欲を示した。
21年度着工施設のうち、最も延べ床面積が大きいものは、22年3月着工、23年12月竣工予定の「DPL小牧」(愛知県小牧市)で18万3000平方メートル、次いで今年6月に着工し22年11月完成を見込む「DPL久喜宮代」(埼玉県宮代町)で15万9000平方メートルとなっている。
地域別では首都圏が13棟で最も多く、関西圏も5棟に上る。地方エリアも沖縄や福島、富山などの案件が並び、以前からの積極姿勢が引き続き目立っている。
手塚氏は、今年3月末時点でマルチテナント型物流施設の累計延べ床面積がこれまで軸にしてきたBTS型を上回ったと説明。6月時点でマルチテナント型が530万平方メートル、BTS型が509万平方メートルに達しており、「すぐに入居できる物流施設へのニーズは多い」とみてマルチテナント型の開発実績を重ねていく考えを示した。
「DPL久喜宮代」の完成イメージ(大和ハウス工業プレスリリースより引用)
(藤原秀行)