東京ドーム約4個分で同社過去最大、地域共生へ「四季の庭」設置
オリックス不動産は9月2日、神奈川県愛川町で同社が開発した物流施設案件としては過去最大規模となる延床面積18万3354平方メートル(東京ドーム約4個分)のマルチテナント型物流施設「厚木Ⅲロジスティクスセンター」の開発に着手したと発表した。
「厚木Ⅲロジスティクスセンター」外観イメージ
圏央道の相模原愛川ICから約3.8キロメートルの神奈川県内陸工業団地内に位置。厚木市や相模原市内への配送に加え、圏央道経由で東名・中央の両高速道路を利用することにより関東全域・西日本への広域配送が可能とみている。竣工は2024年2月を目指す。
地上6階建てのダブルランプウェイ方式を予定しており、各階に55台(10トン車)が同時接車できるバースを整備。最小区画は約1580坪から、最大18テナントが入居できる設計とする。
免震システムや非常用自家発電機を設置するなど、BCPにも対応した防災配慮設計を採用し、近年ニーズが高まっている「危険物倉庫」の設置を計画。入居企業が、一般倉庫では保管できないアルコール類などの消防法上の危険物を同一敷地内で保管できるようにする。
屋上には太陽光発電設備を設置し、再生可能エネルギー由来の電力を施設全体に供給するほか、年間の1次エネルギー消費を実質的にゼロとする「ZEB認証」を取得。環境負荷の低減、地域共生を実現する「四季の庭」を設け、地域環境との親和を図る。各入居企業が空調や照明を一元管理するIoT機器など、DXに寄与する設備の導入も検討している。
6階共用部には、昼食や休憩などに利用できる約250席の「カフェラウンジ」を設置。一部の倉庫区画には空調機器を実装するなど、働きやすい環境を備えるよう努める。エントランスロビーにはフラッパーゲートを設置し、来訪者には事前に入場用の2次元バーコードを付与するなど、オフィス水準のセキュリティを提供する予定。感染症対策として非接触型のエレベーターを導入する。
カフェラウンジ(イメージ)
エントランス(イメージ)
既存緑地を保存しつつ季節感のある「四季の庭」を配置し、生物環境保全にも配慮した計画とするなど、地域との共生を図る。「四季の庭」が見える屋外テラス席を設置し、昼食や休憩の際にリラックスした時間を過ごせる環境を提供する。
「四季の庭」(イメージ)
危険物倉庫外観(イメージ)
オリックスが第三者所有モデル(PPAモデル)で施設の屋根に太陽光発電設備を設置し、発電した電力を施設全体に供給する。入居テナントには、太陽光発電設備で発電した電力の環境価値を譲渡する。
施設概要
名称 | 厚木Ⅲロジスティクスセンター |
所在地 | 神奈川県愛甲郡愛川町中津字桜台4025番1他(神奈川県内陸工業団地内) |
交通手段 | 首都圏中央連絡自動車道「相模原愛川IC」から約3.8km 首都圏中央連絡自動車道「圏央厚木IC」から約5.3km JR相模線「原当麻駅」から約4.3km |
敷地面積 | 75,544.56㎡(約22,852.22坪) |
延床面積 | 183,354.15㎡(約55,464.63坪) |
規模・構造 | 地上6階建て、RCS造 |
駐車場台数 | 普通車493台、大型トラック待機場55台 |
その他 | トラックバース各55台 床荷重1.5t/㎡、梁下有効高:5.5m以上、全館LED完備、非常用発電機完備、空調実装(3~5階)、太陽光発電設備実装、電気自動車(EV)充電スタンド 24台設置、危険物倉庫設置 |
設計 | 鹿島建設株式会社 |
施工 | 鹿島建設株式会社 |
着工 | 2022年8月1日 |
竣工 | 2024年2月(予定) |
位置図(いずれもプレスリリースより引用)
(藤原秀行)