物流施設「現段階では供給過多になっていない、引き続き市場は堅調に推移」

物流施設「現段階では供給過多になっていない、引き続き市場は堅調に推移」

不動産証券化協会・杉山会長が展望、建築費高騰でも開発は継続と予想

不動産証券化協会の杉山博孝会長(三菱地所会長)は9月21日、東京都内で開催した理事会の後に記者会見し、大量の新規開発が続く賃貸物流施設市場について「現段階で供給が過多になっているということはないので、引き続き堅調に推移すると思っている」と展望した。

建築費が高騰していることに関しては「資材によっては価格が下がってきているということも言われ始めている。全体の需要という点からすればまだまだ供給が生まれていくことは間違いない。工事費の推移を見ながら開発されていくのではないか」と語り、新規供給自体は今後も大きくペースダウンすることはなく続いていくとの見方を示した。

同協会としてデータセンターやインフラ設備など新たな投資対象の拡大を打ち出していることについては「リート対象資産の拡大を図っていきたい。可能にするためどういう法整備、取り組みが必要か、協会の中でも検討して、さらに拡大していけるよう努めていきたい」と意欲を見せた。

同協会の活動開始から今年で20周年を迎えることを受け、「20年前は数兆円程度だった不動産証券化市場が現在は約50兆円。そのうちJリートと私募リートが26兆円を超える規模になってきた。資産デフレ脱却に大いに貢献してきたと自負している」と説明。「リートの総資産額を2030年ごろには40兆円まで伸ばしたい」と従来目標の達成を図る姿勢をあらためて強調した。


杉山会長(2019年撮影)

(藤原秀行)

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