エアロネクスト・田路CEOが構想
エアロネクストの田路圭輔代表取締役CEO(最高経営責任者)は10月3日、茨城県境町で、自動運転バスとドローンを組み合わせた配送のデモンストレーションなどを公開した後、メディアの取材に応じた。
田路CEOは、ドローンや自動運転バス、トラックなどを連携させ、11月に同町で始める予定のサービス「新スマート物流」に関し、ソフトバンク子会社で自動運転車両の運行管理を手掛けるBOLDLY(ボードリー)、自動運転技術の開発などを進めるセネックと連携し、境町内に設けている拠点でドローンの遠隔監視を実施すると説明。
将来は同拠点で、境町以外の地方自治体で展開するドローン物流を一括して監視することで飛行の安全性向上と運行管理の効率化を両立し、ドローン物流の普及を加速させていくことに意欲を示した。
境町で実施したデモでは、自動運転バスで運んできた荷物をドローンに積み替え、自動飛行で配送先へ飛び立った
境町では2020年以降、自動運転バスが町内を定時運行しており、BOLDLYの遠隔管理システム「Dispatchr(ディスパッチャー)」で人や建物との接触などのトラブルを防いでいる。
田路CEOは、Dispatcherで自動運転バスとドローンの両方を遠隔管理できるようになったと解説。「境町から(エアロネクストなどがドローン物流を始めている)山梨県小菅村や北海道上士幌町、福井県敦賀市(のドローン運行)をコントロールするプランを考えており、順次やっていきたい」と語った。
また、境町で展開する新スマート物流はトラックや自動運転バスによる荷物輸送が軸となり、ドローンは農村部への商品輸送など補佐的な物流を担うとの見通しを示した上で「会員という形で50~100世帯くらいのお客様を募り、毎日届けるとか、何日何時の便はこのお客様専用の便にするとかいった形で、ドローンのオペレーション自体、住民を巻き込む形でやりたいという計画もある」と述べた。
(藤原秀行)