三菱ふそうやクミアイ化学工業など
政府が物流事業者や荷主企業と連携してトラックドライバーの就労環境改善などを目指す「ホワイト物流」推進運動に賛同し、自主行動宣言を提出した企業・組合・団体が10月末時点で大手メーカーや卸・小売業など計1493に達した。同運動事務局が11月15日、活動状況を紹介している専用ウェブサイトのデータを更新、公表した。
9月末からの1カ月間で見ると、新規に同運動への賛同を表明した企業・法人は21で、7~8月以来、3カ月ぶりに20台へ到達した。
新たに賛同した中で、荷主企業の中心的な位置を占める製造業と卸・小売業は3社ずつとなった。運輸・郵便業は7社だった。他にもサービス業や情報通信業、司法書士事務所など多様な業界から賛同が寄せられた。
全体で見た場合、新規賛同は増えているものの、そのペースは1カ月当たりで10~20台にとどまっている。トラックドライバーの長時間労働規制が強化される「2024年問題」が迫る中、運動に開始直後のような盛り上がりが見えてこないのは気がかりだ。
同運動事務局のホームページによると、新規参加を表明した主な企業・団体は製造業が三菱ふそうトラック・バスやJA系で農薬専業化学薬品メーカーのクミアイ化学工業など、卸・小売業は長野に本拠を置く科学・医療の専門商社アズサイエンスなど、運輸・郵便業は日野自動車傘下の日野グローバルロジスティクス(自主行動宣言では自らを「物流業」と説明)など。
ロジビズ・オンラインの独自集計では、運輸・郵便業は9月末時点の789から796に、製造業は390から393に、卸・小売業は121から124にそれぞれ増加した。
政府は2019年4月の運動開始に先立ち、上場企業約4000社と、全国47都道府県ごとに売上高上位50社ほどを選んだ約2300社の経営トップへ直接文書で協力を要請した。現状ではそのうちの約2割が運動に賛同している。
(藤原秀行)