従来比で作業効率8倍を見込む
イケアの日本法人イケア・ジャパンは11月24日、千葉県船橋市の「IKEA Tokyo-Bay」の倉庫を、国内のイケア店舗で初めてオートメーション化すると発表した。
イケアは日本で9つのイケアストア（大型店舗）、3つの都心型店舗、カスタマーサポートセンターを展開。さらに、ECサイト（IKEAオンラインストア）の開業とIKEAアプリの配信、国内各地で商品受け取りセンター拡大、IKEAポップアップストア開設に取り組んできた。
ECサイト上のオーダー増加を中心とした変わりゆく購買行動のニーズに対応するため、それぞれのタッチポイントをつなぎ、総合的にアプローチするオムニチャネル化を加速する施策に注力している。
イケアは関東全体を1つのマーケット（One Tokyo Market）として捉え、店舗間での円滑な連携とカスタマーフルフィルメント（利用客が商品を購入して手元に届くまでの業務）能力の最大化を目指している。その一環として、従来関東圏の4つのイケアストア（大型店舗の「IKEA新三郷」、「IKEA Tokyo-Bay」、「IKEA立川」、「IKEA港北」）で担っていた小物配送のピックアップ業務をIKEA Tokyo-Bayに集約し、より効率良く商品を発送できるようにする。
効率化の一環として、イケアはピックアップ業務の集約化に合わせてIKEA Tokyo-Bay倉庫内にAutostore（オートストア）の自動倉庫型ピッキングシステムを導入。11月24日に稼働を始める。
AutoStoreの導入により、雑貨や小物類のオーダーに合わせて、ピッキングロボットが高密度保管自動倉庫から商品を自動でピックアップする。今後、関東圏の小物配送商品をAutoStoreが自動でピックアップすることで、コワーカー（従業員）が店内を歩き回る従来の方法と比べ、約8倍の作業効率で発送が完了すると見込む。
また、イケアでは、コワーカーが働きやすい環境を提供することを重視。AutoStore導入によって、倉庫内におけるコワーカーによりやさしい働く環境を実現する。コワーカーが待つポートまでロボットが商品を運ぶことで、従来のピックアップ作業がなくなり、またエルゴノミクス（人間工学）を取り入れたポートは、コワーカーが商品をピックアップする際の身体への負荷を軽減、業務をしやすいスペースになるよう配慮している。
IKEA Tokyo-Bayに導入するAutoStoreは酸素低減システムを備えており、空気中の酸素濃度をコントロールした防火設備となっている。コワーカーや商品だけでなく、倉庫全体の安全性を高めている。またイケア・ジャパンは2018年以降、店舗と本社で100%再生可能エネルギー由来の電力を使用しており、AutoStoreも再生可能電気100%で運用する。
（藤原秀行）※写真はいずれもイケア・ジャパン提供
