国内最大級の蓄電池組み立て工場内レイアウト検討に活用
ゼネテックは12月13日、日本総代理店として提供している、世界的に実績の高い離散事象解析3Dシミュレーションソフト「FlexSim(フレックスシム)」を、再生可能エネルギーの普及や蓄電・送電技術を手掛けるベンチャーのパワーエックスに納入したと発表した。
FlexSimは米FlexSim Software Products(フレックスシム・ソフトウェア・プロダクツ)が開発する離散事象解析の3Dシミュレーションソフト。製造ラインや加工プロセス、物流倉庫、マテハンなどのシミュレーションモデルを、非常に軽量な3Dグラフィックを利用して構築し、「人・物」の流れを計算。機械や作業員の稼働率・作業負荷、作業時間など多岐にわたる情報を分かりやすい円グラフや折線グラフ(ダッシュボード)を使って一元的に表示できるのが特徴。
稼働率や生産数が最大になる最適解をAIが算出する機能も備えている。
岡山県玉野市でパワーエックスが建設中の、日本最大級の蓄電池組み立て工場「Power Base」で最適なレイアウトをシミュレーションするために活用を開始した。「Power Base」は2024年春に製品の出荷を開始する予定。
「Power Base」建築設計イメージ図(PowerX提供)
新設工場の生産・出荷計画を満たす最適な作業員数や、AGV(無人搬送ロボット)の台数、自動倉庫などの設備のスペック、最適な配置を検証するためのシミュレーションソフトとして「FlexSim」を選定した。「FlexSim」は工場建設後も、現実空間をサイバー空間上にデジタルツイン(大規模な仮想空間)として再現し、日々の生産需給に応じた現場の最適化に生かせる。
設備の追加、生産ライン追加やレイアウト改善、人員増加など、事業の拡大・成長や環境の変化に応じたシミュレーションが都度行えるため、長期的な工場の効率化・最適化への活用が期待されている。
自動倉庫やAGVの稼働検証を行っている、 蓄電池工場「Power Base」のシミュレーションモデル(一部公開)
(藤原秀行)※写真類はゼネテック提供