A.L.I. Technologies、ドローンメーカーのエアロジーラボと業務提携

A.L.I. Technologies、ドローンメーカーのエアロジーラボと業務提携

中山間地などでの「レベル3」飛行拡大目指す、物流利用加速も

ドローン関連技術の開発などを手掛けるA.L.I.Technologiesは12月28日、国産ドローンメーカーのエアロジーラボ(大阪府箕面市)と業務提携したと発表した。

両社の技術を連携させることで、物流などへのドローン利用を加速させたい考え。政府は12月、都市部上空でドローンが目視外飛行する「レベル4」を解禁したが、両社はまず、その前段となる中山間地などでのドローンの目視外飛行「レベル3」を着実に広めていきたい考えだ。


今年12月に千葉市の幕張エリアで公開した、「レベル4」を見据えたドローン物流の実証実験で飛行するエアロジーラボ製ドローン「AeroRangeQuad」(A.L.I.Technologies提供)

A.L.I.はドローン版UTM(運航管理サービスシステム)の開発を進めており、2021年から独自のプロトタイプ版「C.O.S.M.O.S.」を使い、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の実証などに参加してきた。今夏からは自社UTMの社会実装を見据え、様々な国内ドローンメーカーの機体にC.O.S.M.O.S.の搭載を図っている。

エアロジーラボは長時間飛行が可能なエンジン発電機搭載のハイブリッドドローンを独自開発。現在主流のバッテリー型ドローンの実質飛行可能時間はおおむね15〜20分程度なのに対し、同社のエンジン発電機を搭載したハイブリッド型ドローン「AeroRangeシリーズ」は2時間以上(最大3時間)の飛行が可能という。

同社は国土交通省が推進する中山間地域における物流ドローンの実証事業などに早期から名を連ねてきた。レベル3の飛行は早くから達成していたが、他機種との空域を共有した上で安全にオペレーションを実現させる運航管理システムや、遠隔からの機体の操作についてのシステム部分は着手できていなかった。

両社は今夏からエアロジーラボ製の機体「AeroRangeQuad」にA.L.I.の運航管理サービスシステムC.O.S.M.O.S.を搭載し、共同で複数の実証事業に参画。6月には大阪での物流事業社を交えてのレベル3物流実証、8月には山梨県北杜市でC.O.S.M.O.S.での複数機体の制御(1対多運航)の実証、9月には徳島での災害救援物資輸送を見越した防災訓練を500km離れた東京から遠隔操作をする実証をそれぞれ行った。

各取り組みを通じて、エアロジーラボ製ドローンとA.L.I.の運航管理システムを組み合わせることで、中山間地域や離島間などのレベル3環境下でドローンによる社会貢献が可能と立証されたため、業務提携でより2社の結び付きを強化。実証事業への共同参加や、A.L.I.の営業力を使っての機体販売に踏み込む。

(藤原秀行)

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