宇宙事業のインターステラテクノロジズ、シリーズDラウンドで総額38億円の資金調達を完了

宇宙事業のインターステラテクノロジズ、シリーズDラウンドで総額38億円の資金調達を完了

超小型人工衛星用ロケット「ZERO」初号機開発・製造を加速

宇宙輸送と宇宙利用を通じて地球の課題解決を目指す宇宙の総合インフラ会社インターステラテクノロジズは1月16日、シリーズD(株式公開やM&Aなどの検討期)ラウンドとして総額38億円の資金調達を完了したと発表した。

調達した資金は、初号機打ち上げを目指して開発・製造している超小型人工衛星打上げロケット「ZERO」の研究開発、設備投資、人材採用、材料費などに充てる予定。

世界の宇宙市場は年々拡大しており、デロイト トーマツ コンサルティングによれば2040年には現状の3倍近くとなる110兆円に達すると見込まれている。特に小型サイズの人工衛星の需要が大きく伸びており、衛星を使ったインターネット通信の普及、衛星データを活用した「超スマート社会」の実現など、幅広い分野への波及効果が期待されている。

一方、急拡大するニーズに対し、衛星を運ぶための唯一の手段となるロケットは、国内の打ち上げ回数が年数回と世界シェアの約2%にとどまっており、国内の衛星打上げ需要の半分が海外に流出している。さらに、ロシアのウクライナ侵攻の影響で世界の宇宙輸送の約2割を占めていたロシアのロケットを日本や欧米諸国は使えなくなるなど、宇宙輸送能力不足が宇宙利用拡大の世界的なボトルネックとなっている。

インターステラテクノロジズはZEROをいち早く市場に投入することで、国内への低価格で高頻度な宇宙輸送手段の構築に貢献していきたい考え。

シリーズDラウンドの引き受け先は既に公表済みのものを含めて、SBIインベストメント、日総工産、サツドラホールディングス、サイバーエージェント、KADOKAWAなどとなっている。


(インターステラテクノロジズ提供)

(藤原秀行)

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