外部のシステムと円滑連携可能に
中小運送事業者の業務DXを支援するascend（アセンド）は2月13日、同社が開発・提供を手掛けているトラック運送事業者向け業務管理システム「ロジックス」と運送事業者向けダイナミックプライシング（変動運賃）エンジンが、内閣府の推進する国家プロジェクト「戦略的イノベーション創造プログラム（SIP）」の「スマート物流サービス」が2021年に策定した「物流情報標準ガイドライン」に準拠したと発表した。
ガイドラインに準拠している外部のシステムと兌換性を確立し、荷主企業や倉庫会社など物流領域の多岐にわたるステークホルダーや外部システムと、より円滑に連携できる環境が整った。
物流情報標準ガイドラインは個社で規格の異なるデータが多く存在する物流業界で、データ共有の際の調整コストの高さを低減し、データの統一化を推進することを目的に策定した。
（ascend提供）
ascendのロジックスは運送の案件受注から配車、請求書発行まで一連の業務を包括的にデジタル化するとともに、必要なデータを一元集約することで、データ分析のための追加作業なしに、収支改善につながる経営数値（利益率・車両回転率等の各種KPI＝重要経営指標＝など）を可視化し、業務効率化と経営DXを同時に実現できるようにするのが特徴。
現状は運送事業者に特化したサービスのため、倉庫や卸などとシステム連携できるデータ構造を採用していないが、ガイドラインへの準拠を完了したことで、運送計画の共有による共同配送の実現や、積載効率改善による供給不足の解消など物流業界全体の課題解決に資する可能性があると想定。今後はサプライチェーン全体の最適化に貢献できるよう、新たな提供価値を見据えた製品の磨き込みを図る構え。
（藤原秀行）
