日本郵船グループ、国内初の洋上風力発電向け作業員輸送船CTVで定期傭船契約を締結

日本郵船グループ、国内初の洋上風力発電向け作業員輸送船CTVで定期傭船契約を締結

北海道の石狩湾新港沖の事業に投入、今後の市場拡大に対応目指す

日本郵船は2月16日、ドイツのシーメンスグループで世界的な風力タービンメーカーのSiemens Gamesa(シーメンスガメサ)と洋上風力発電設備向け作業員輸送船(Crew Transfer Vessel、CTV)1隻に関する定期傭船契約を2月15日付で締結したと発表した。

CTVは長さ20~40m程度のアルミ製双胴船。高速航行時に安定性が高く、洋上施設への乗降を安全に行える機器を搭載している。

契約を締結したCTVは日本郵船が保有しており、北海道に拠点を置くグループの北洋海運が船舶管理を担当。今年12月に商用運転開始が予定されている北海道の石狩湾新港の洋上風力発電施設へ作業員を輸送する。日本郵船グループとしては国内初のCTV運航となる。

石狩湾新港洋上風力発電事業は、再生可能エネルギー開発を手掛けるグリーンパワーインベストメントが推進。約500haの海域にシーメンスガメサ製の洋上風車14基を建設・運転・保守する計画。CTVは洋上風力発電設備の運転開始後の保守作業のため、洋上の作業現場設備と陸上拠点の間を移動する作業員を運ぶ役割を担う。

CTVは、日本で洋上風力発電設備の建設開始が本格化する2026年ごろから約20年で100隻を超える市場規模になることが予想されている。今後拡大が見込まれる洋上風力発電事業へ対応し、一層のCTV展開を目指す。


CTVのイメージ図(プレスリリースより引用)

全長:27.10 m
型幅: 9.00 m
乗客定員数:12名
建造造船所:PT Kim Seah Shipyard Indonesia (Penguin Shipyard International子会社)

(藤原秀行)

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