装置の「型式指定」取り消し手続きを4月25日開始
国土交通省は4月18日、豊田自動織機の日本市場向けフォークリフト用エンジン2機種で、国が定める排出ガスの評価試験の際、データを差し替えるなどの不正行為があったのを受け、道路運送車両法に基づき、同社へ行政処分を科す方針を固めた。
同日、エンジンに取り付けている一酸化炭素(CO)などの発散防止装置に関し、量産に不可欠な型式指定を取り消すかどうかを決めるため、同法の規定に沿って同社の意見を聞く「聴聞手続き」を4月25日に実施すると発表した。同社の主張を踏まえ、最終決定する。
現状では豊田自動織機は国交省の方針に異議を唱えないもよう。型式指定が取り消されれば、同法の行政手続きとしては最も重い処分となる。出荷再開に必要な型式指定の再取得には早くても数カ月かかるとみられ、同社の業績にとっても打撃となりそうだ。
豊田自動織機は3月、不正行為に関し、排出ガスに含まれている有害成分の量が国内の環境規制値を上回っているにもかかわらず、基準をクリアしているように装っており、法令に抵触している疑いがあることが分かったと発表。当該のエンジンを使っているフォークリフトの国内出荷を停止することを決めた。
4月には当該のエンジンを搭載したフォークリフトとショベルローダー2車種・計7万2366台のリコールを国交省に届け出た。同社は「エンジン制御コントローラのプログラムが不適切なため、長時間使用するとインジェクター(燃料噴射装置)の劣化により、排出ガス中のPM(粒子状物質)が規制値を超過する恐れがある」と説明している。
(藤原秀行)