カメラで脈拍や血圧の変化を推定、AIが姿勢崩れなどなくても対応
従来技術と今回開発した技術の比較
三菱電機は4月18日、運転中のドライバーのわき見や居眠りを検知する「ドライバーモニタリングシステム（DMS）」のカメラを活用し、脈拍や血圧の変化などの生体情報を非接触で推定、ドライバーの意識消失などの体調異常を検知する技術を開発したと発表した。
DMSによる非接触生体センシングを基に、独自開発のAIが複数の生体情報を推定。さらに、姿勢崩れなどの視覚的な変化を伴わない場合でも、AI技術「Maisart（マイサート）」が体調の異常発生を見つけ出す。
国内では「心疾患」「てんかん」「脳血管疾患」が健康起因交通事故の三大要因となっており、意識消失などのドライバーの体調異常に起因した事故は、死亡や重症事故につながりやすいため、事故予防が急務。
体調異常を検知する技術として、DMSのカメラ映像から体調異常時の姿勢崩れを検知する技術がある一方、運転姿勢を保ったまま意識を消失するなどの姿勢崩れを伴わない場合も約50%あるとみられ、その対策が課題となっていた。
同社はこれまで、体調異常時に生じる生体情報の変化に着目した検知技術の開発を推進。「心疾患」「てんかん」「脳血管疾患」で生じる「脈拍間隔の変化」や「血圧の変化」などの生体情報の特徴的変化に着目し、独自のAIを活用することで、DMSのカメラ映像から非接触でドライバーの生体情報（脈拍数、脈拍間隔、脈の強弱、血圧の変化）を推定し、その生体情報の変化から、姿勢崩れが伴わない場合でも体調異常を検知できる技術を生み出した。
さらに、体調異常発生による姿勢崩れの前に生体情報が変化した場合は、体調異常の早期検知で事故回避行動の早期実施が期待できるという。
新技術により、体調異常を検知した場合は、車両安全システムが路肩への停車を行うなどして死亡や重傷リスクの高い事故の予防につなげられると見込む。
（藤原秀行）※プレスリリースより引用
