SGシステム、AI-OCRサービスでレセプト帳票の読み取り機能追加

SGシステム、AI-OCRサービスでレセプト帳票の読み取り機能追加

自動化困難な「柔道整復施術療養費支給申請書」の対応開始

SGホールディングスグループで情報システム開発などを手掛けるSGシステムは4月20日、AIを活用したOCR(光学式文字読み取り
)サービス「Biz-AI×OCR」に、新たにレセプト帳票対応サービスを追加したと発表した。

レセプト帳票の中でも非定型の割合が高く、自動化が困難だった柔道整復施術療養費支給申請書(柔整レセプト)を対象とした読
み取りサービスの提供を4月に開始した。柔整レセプトの読み取り精度は96.0~99.9%を達成しているという。

SGシステムは2019年、フューチャーアーキテクトと組み、佐川急便の配送伝票入力業務を自動化するAI-OCRを生み出し、入力業務に要する作業時間を月間8400時間短縮することに成功した。

配送伝票にとどまらず、グループ内の帳票入力業務の自動化などで培ってきたノウハウを生かし、AIを活用したクラウド型のOCRサービス「Biz-AI×OCR」を開発、2021年からグループ外の顧客にも提供している。

これまでに自治体やBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業者の給与支払報告書など、官公庁に提出される1000万枚以上の帳票読み取りを実施してきた。

柔整レセプト(接骨院や整骨院が保険適用となる施術を行った際、健康保険組合に対し療養費を請求する申請
書)は医科、歯科、調剤など他分野のレセプトに比べて手書き記入部分が多い上に、多様なフォーマットが存在することからOCR の実用が困難だった。

SGシステムとフューチャーアーキテクトは、給与支払報告書読み取りサービスで培ったAI-OCRの技術をベースに、定型帳票を読み取るAI-OCRエンジンに加え、非定型帳票の読み取りもできる独自のエンジンを共同開発、「Biz-AI×OCR」に追加機能として搭載した。

柔整レセプト向けAI-OCRの特徴

※SGHD提供

柔整レセプト向けAI-OCRは1枚ごとに画像を解析。事前の読み取り位置設定をせずに自動で読み取り対象項目を特定できる。AI-OCR 専用機器は不要で、一般的なパソコンに導入可能。パソコンを追加すれば台数に比例して自動で性能が向上していくアーキテクチャを採用している。

医科、歯科、調剤分野ではそれぞれ9割以上のレセプトが電子化されている一方、柔整分野は年間約4600万件が主に紙で作成され、BPO事業者らがデータ入力業務を担っている。SG システムはBPO事業者に柔整レセプト向けAI-OCRサービスの利用を呼び掛け、業務の省力化や効率化を支援していく考え。

(藤原秀行)

テクノロジー/製品カテゴリの最新記事