駐機中に供給、CO29割減見込む
日本航空(JAL)グループの日本エアコミューター(JAC)は3月22日、航空機装備品を手掛ける多摩川エアロシステムズ(東京都大田区羽田空港)と共同で、鹿児島県内の全就航離島を対象に、駐機中の航空機に電気を供給する電源装置として、環境負荷や騒音の軽減が期待されるリチウムイオンバッテリー式の「eGPU」を同日から、国内の航空会社として初めて順次導入すると発表した。
導入した「eGPU」(手前、プレスリリースより引用)
空港で駐機中の飛行機には、次便の出発準備の作業を行うため、外部から電気を供給している。これまで使用していたディーゼルエンジン式電源車両「GPU」は燃料で稼働するため、排気ガスが発生するのが課題だった。
新たに導入した「eGPU」はデンマーク製で、排気ガスが出ず、低騒音かつエンジンによる振動もなく、消耗品や故障頻度が少ないことが特徴。JACは環境負荷を下げ、作業効率を高められると見込んでおり、従来のディーゼルエンジン式よりCO2を9割減らせると試算している。
世界自然遺産登録されている屋久島、奄美大島、徳之島、沖縄県のほか、自然豊かな地域に就航しているJACは、CO2排出量が少なく環境負荷が低いターボプロップ機を運航している。今回の「eGPU」導入でこれまで以上に環境負荷を軽減するとともに就航離島の自然を未来へ残していくことを目指している。
(藤原秀行)