北海道初、ユーグレナの「次世代バイオディーゼル燃料」を苫小牧埠頭グループが導入へ

北海道初、ユーグレナの「次世代バイオディーゼル燃料」を苫小牧埠頭グループが導入へ

集荷・配送用トラックに採用

ユーグレナと苫小牧埠頭(北海道苫小牧市)は5月17日、苫小牧埠頭グループの大北運輸(同)が北海道で運行する集荷・配送用トラックに、ユーグレナ製の次世代バイオディーゼル燃料「サステオ」を北海道で初めて導入すると発表した。

ユーグレナ社は2005年に世界で初めて微細藻類ユーグレナ(和名ミドリムシ)の食用屋外大量培養技術の確立に成功。微細藻類ユーグレナ、クロレラなどを活用した食品、化粧品などの開発・販売を手掛けている。

2010年からはバイオ燃料の研究開発を開始し、18年には日本初のバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントが完成。サステオはバスや配送車、消防車などの車両、タグボートやフェリーなどの船舶、商業用ジェット機や双発機などの飛行機と、陸・海・空の全領域で利用が拡大・多様化している。供給実績は累計75件を超えている。

サステオはバイオマスを原料とし、食料との競合や森林破壊のリスクが低い点で持続可能性に強みを持つ。燃料の燃焼段階では通常の軽油と同じようにCO2を排出するが、原料となるバイオマスが、成長過程の中で光合成によりCO2を吸収するため、燃料を使用した際に発生するCO2の排出量が相殺され、実質的にはプラスマイナスゼロとなるカーボンニュートラルの実現に貢献すると期待されている。

また、分子構造が従来の軽油と同じで、軽油を使用している既存車両のエンジン(内燃機関)にそのまま使用できるため、既存インフラを活用しながら効率的に普及拡大することが可能なのもメリットとなっている。

苫小牧埠頭は22年11月に発表した「中期経営計画 TOMAF2025(2022~25年度)」で、新経営理念「物流イネーブラーとして地域・社会に貢献します」とともに、ミッションの一つとして「本業を通じた社会課題の解決(環境問題への対応)」を設定。その一環としてユーグレナの取り組みに賛同し、サステオを利用することにした。


(ユーグレナ提供)

(藤原秀行)

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