川西倉庫、埼玉の拠点で積み替えロボットを導入へ

川西倉庫、埼玉の拠点で積み替えロボットを導入へ

人手不足踏まえ物流DX促進、北関東エリア軸に機器を順次採用

川西倉庫は6月12日、東京都内で2023年3月期決算説明会を開催した。

この中で、現場の人手不足を考慮し、物流業務のDXを促進していることを紹介。2021年6月に立ち上げた経営幹部らによる「次世代プロジェクトチーム」を軸にして、先進技術の導入検討などに取り組んでいることを明らかにした。

このプロジェクトチームと並行して、若手社員が集まって現場の視点からの改善策に関するアイデアなどをくみ上げる「若手社員DX推進チーム」を置き、聞き取った意見をプロジェクトチームの討論にも反映させているという。

具体策として、大阪の物流拠点でトラック予約サービスを導入しているほか、関東の物流拠点で順次、パレタイザー(積み替えロボット)などを採用していく計画に言及した。

川西二郎社長は「今後は間違いなく労働者が減ってくるので、省人化・省力化の荷役機器を導入することが不可欠になってくる。特に北関東、埼玉やそのあたりはいろんな倉庫が稼働しているので、人手を確保するのが既に難しくなっている。できるだけ早く機械を入れていかないと作業自体ができなくなる恐れがある」と強調した。

トラック予約サービスはHacobuのものを採用。大型連休前や月初に荷積みする車両が長時間の待機を強いられている状況の改善などを目指している。また、タブレット端末のiPadを物流拠点に順次取り入れ、現場で入帳や在庫確認といった事務処理を行えるようにしていることも報告。事務所にファクスで届くデータをPDF化し、現場で確認可能にして、作業の効率化とペーパーレスを加速させていることなどにも触れた。

さらに、2021年5月に社内で「RPA(定型作業自動化、ロボティック・プロセス・アートメーション)ワーキンググループ」を設置したことにも言及した。

自動化・省力化の具体的な事例としては、京浜支店関東物流センター加須営業所(埼玉県加須市)で今年10月をめどに、半自動化機器として、コンテナ内にばら積みしている荷物の積み出し作業を自動化するデバンダー(荷降ろしロボット)を採用する予定にしていることを公表した。

2024年1月にはやはり同営業所で、荷降ろし作業の際、袋詰めしている商品が固化した場合に袋を破らずに中身だけ砕くことができる「粗砕機」も24年1月に取り入れる計画。2つの機器を合わせて、現場の重労働作業を解消していくことを狙っている。

このほか、京浜支店関東物流センターの杉戸営業所(埼玉県杉戸町)で、24年3月にパレタイザーの利用を始める予定についても明らかにした。輸入パレットから同社指定サイズのパレットへの積み替えを任せることを想定している。

(藤原秀行)

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