九州で導入、業務効率化し完成車の納期短縮目指す
日産自動車と凸版印刷傘下のTOPPANエッジは6月13日、完成車両位置をピンポイントかつリアルタイムに把握できる新たな物流管理システム(VPM)を共同で開発したと発表した。
日産自動車の製造拠点の1つ、日産自動車九州の敷地内にある車両センターで運用を開始した。
新システムは、完成車両の管理に要する情報登録時間の削減や、物流管理工程の効率化を実現しており、最終的には納車期間の短縮に貢献することを目指す。
日産自動車九州埠頭エリア
作業者による駐車車両の位置登録
新システムはGPSとRFIDを活用し、完成車両の位置情報をボタン一つで登録、リアルタイムで把握できるのが特徴。日産自動車九州で生産した車両を、輸送に向けて埠頭エリアで保管・管理する工程に採用した。
同社の敷地内で完成車両の移動を行う作業者が、装着する専用デバイスのボタンを押すだけで、車両情報と位置情報を取得できるようになった。これまでは手作業で実施していた位置情報の登録や集計などの効率化を実現した。
また、完成車両の保管場所や、空きスペースを即座に把握することが可能になり、より効率的な車両管理につながるとみている。
新システムは日産が有している完成車両物流のノウハウや技術と、TOPPANエッジが有するRFIDやGPS分野の技術を掛け合わせ、自動認識技術の完成車両物流への適用の可能性を検証しながら、開発に取り組んできた。
GPSとRFIDを組み合わせた完成車両の物流管理システムの本格的な運用は、自動車製造業で国内初という。今後は日産グループ内での導入拡大に向け検討を進める。
両社は新システムの特許を共同で出願している。
VPM装置と収納ケース(スマートフォン、RFIDリーダー、ボタン、収納ケース)
(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用