首都圏の大規模マルチ型物流施設、4~6月の空室率は8.2%で横ばい

首都圏の大規模マルチ型物流施設、4~6月の空室率は8.2%で横ばい

CBRE調査、新規需要が四半期ベースで過去最大更新

シービーアールイー(CBRE)は7月31日、2023年第2四半期(4~6月)の大規模マルチテナント型物流施設の賃貸市場動向に関する調査結果をまとめた。

首都圏の期末時点の空室率は8.2%で、前期(1~3月)と変わらなかった。前期まで3四半期続けて上がったが、いったん上昇の動きはストップした。

今期(第2四半期)の新規供給は24.4万坪で、過去2年間の四半期ベースの平均(約20万坪)を超えたが、新規需要も四半期で過去最大だった19年第3四半期(7~9月)の21.1万坪を超える22.5万坪に達し、旺盛な需要が継続した。今期竣工した11棟のうち、4棟が満床だった。

CBREは築1年以内の物件の空室率を指す「既存空室率」は2.1%で前期から0.4ポイント下がった半面、首都圏全体の空室面積は約49万坪で、1年前から2倍以上に膨らんでいると指摘。「空室が多い中で、テナントは引き続き選別的となっており、物件やエリアの二極化は進んでいる」との認識を示した。

1坪当たりの実質賃料(共益費込み)は前期から0.7%下がって4510円だった。CBREは「埼玉、茨城、東京都内陸といった賃料が手ごろな立地で物件が複数竣工したことが実質賃料を押し上げた」と分析。東京の湾岸エリアなどでは上昇基調が続いていると解説した。


首都圏の需給バランス(CBRE資料より引用)

(藤原秀行)

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