道路分野のカーボンニュートラル実現へ、中央帯や地下活用した新たな物流の可能性検討も

道路分野のカーボンニュートラル実現へ、中央帯や地下活用した新たな物流の可能性検討も

国交省審議会の部会、推進戦略の中間取りまとめ骨子案提示

国土交通省は8月9日、東京・霞が関の同省内で社会資本整備審議会道路分科会の基本政策部会(部会長・石田東生筑波大学名誉教授)を開催し、「道路におけるカーボンニュートラル推進戦略」の中間取りまとめに関する骨子案を提示した。

この中で、道路分野で年間約1.75億tのCO2を排出し、国内総排出量の約16%を占めていると指摘。道路からの温室効果ガス排出削減を推し進めるため、一度により多くの荷物を運ぶことが可能な「ダブル連結トラック」の利用促進などを通じたトラック走行時の省エネと物流の効率化を図る方針を表明。中継輸送の実用化・普及を後押しするとともに、中継拠点の整備も進めていく方向性を示した。

さらに、中央帯や地下といった道路空間を物流に利用することの可能性や、自動化など先進技術を取り入れた新たな物流形態の実現に向けた方策を検討することも提案。自動運転トラックの専用レーンを新東名高速道路や東北自動車道などに設け、実用化を図ることも提唱した。


(国交省資料より引用)

他にも、道路管理施設などへの太陽光発電設備の積極導入、風力などの再生可能エネルギー導入の可能性検討、SA・PAへのEV(電気自動車)・PHV(プラグインハイブリッド車)向け急速充電器の設置加速、燃料電池車(FCV)向けの水素ステーション整備への協力などを列挙した。

委員からは、具体的な道路分野からの排出削減目標を明示していないことなどから、「内容が漠然としていて切迫感が足りない」といった指摘が相次ぎ出た。国交省は意見を踏まえ内容を修正し、8月をめどに中間取りまとめを決定し公表。その上で、2023年度中に、道路におけるカーボンニュートラル推進戦略を策定したい考えだ。

(藤原秀行)

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