エアロネクストとKDDIスマートドローンなど、北海道新十津川町で「レベル3.5」飛行の災害想定したドローン配送実証

エアロネクストとKDDIスマートドローンなど、北海道新十津川町で「レベル3.5」飛行の災害想定したドローン配送実証

道内2例目、講習で使用予定ルートも

エアロネクストとKDDIスマートドローン、電通北海道の3社は3月16日、北海道新十津川町で3月5~6日、災害時を想定した「ドローンを活用した救援物資配送」実証実験を実施したと発表した。

新十津川町と各社は「ドローンのまちづくりに関する連携協定」を締結済み。新十津川町は今夏、ドローン配送のサービス実装化を目指しており、能登半島地震の被災地における医薬品の配送など、道路が寸断され孤立した集落へのドローン配送が注目される中、本実証では平時から町内の新スマート物流網を構築し、災害など有事の際には「備えない防災」フェーズフリーの観点で、買い物配送で利用しているドローンを、救援物資や医薬品配送へ転用することを想定した「レベル3.5」飛行で配送を実施した。

「KDDIスマートドローンアカデミー新十津川校」が2024年度、物流専用ドローン「AirTruck(エアートラック)」の操縦を学べる「物流コース」の設置を検討しており、講習で使用する予定ルートでデモンストレーション飛行を併せて実施した。

実証はエアロネクストがセイノーホールディングスと連携して展開している、ドローン配送と陸上輸送を融合した新スマート物流「SkyHub(スカイハブ)」の仕組みを活用して行った。実際のオペレーションはエアロネクスト子会社のNEXT DELIVERYが担った。


届いた商品と受け取り人の家族


新十津川町上空を飛行するドローン


実証実験のドローン配送を終えて記念撮影

ルート①:新十津川町農村環境改善センター みらいえ→吉野地区活性化センター
地震などの災害時、土砂崩れなどで道路が寸断された場合、中心部から少し離れた町の西側に位置する吉野地区は陸路ではアクセスできず、孤立してしまう可能性があるため、ドローンを活用して空から物資を届けることを想定し、実証実験を行った(片道飛行、距離約13.4km、約35分)。


市街地から吉野地区へドローンによる救援物資配送を実施 ※上図は新十津川町内の飛行ルートをGoogleが提供するGoogle Mapを使用し表示した


ドローン配送された救援物資


東京・虎ノ門からの遠隔操作

ルート②:吉野地区活性化センター⇄吉野駐車公園
次年度に設定を検討している「物流コース」で、使用を想定している飛行ルートとして“初級ルート”、“上級ルート”を実証飛行した。

“初級ルート”は、河川上の飛行を基本とするルートで、別途許可承諾などが必要な吉野公園を避け、451号線を横断するルートで、横断時は通行の確認が必要となる。

“上級ルート”は丘上の飛行を基本とするルートで、別途許可承諾などが必要な吉野公園を避け、451号線を横断するルート。高度変化があるため対地高度の確認を行いながらの飛行となり、ルート上に実際はない高架線があることを想定した高高度で飛行し、架空の高架線を通行前には一時停止を実施する(片道飛行、“初級ルート”距離約1.8km、約5分  “上級ルート” 距離約2.1km、約5分)


「物流コース」で使用するルートでのデモンストレーション飛行を実施 ※新十津川町内の飛行ルートをGoogleが提供するGoogle Mapを使用し表示した

(藤原秀行)※いずれもエアロネクスト提供

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