まず4社向け提供、24年中に全国薬局数千店舗で利用可能に
Uber Eats Japan（ウーバーイーツジャパン）は3月28日、処方薬を最短30分で配達するサービス「Uber Direct」を始めたと発表した。
第1弾として、アイメッド、大賀薬局、TOPPANホールディングス傘下のおかぴファーマシーシステム、メドレーの4社向けにスタートした。全国で月間10万人の配達パートナーが料理などを届けているUber Eatsのデリバリーネットワークを活用し、4社のシステムを使っている薬局で処方した薬を即時配達する。
まず東京都と福岡市の一部店舗でサービス対応を開始した。2024年内に全国の数千店舗の薬局で利用可能にしたい考え。
（プレスリリースより引用）
新型コロナウィルスの感染拡大をきっかけに、オンライン診療やオンライン服薬指導の認知が高まり、コロナ収束後もその利便性からリピーターを中心に利用が増加。2022年1月の電子処方箋制度導入や同年3月の規制緩和で診療から処方薬の受け取りまでの過程をオンラインで利用しやすくなったこともあって、なるべく早く自宅で処方薬を受け取りたいというニーズが増加している。
Uber Eatsは既に市販薬の配達を手掛けている。カバー範囲を広げ、パートナー企業の自社サイトやアプリで販売している商品を、Uber Eatsの配達ネットワーク経由で消費者へ届ける。パートナー企業は自社で配達要員の確保・管理を行わず効率的な配送網を実現できるのがメリット。
Uber Directによる処方薬配達の概要
サービス内容:
4社の導入企業が提供するプラットフォームを通じて販売した処方箋薬を、Uber Eatsの配達パートナーが服薬指導・薬の手配完了後最短30分で指定の場所へ届ける。
配達品目の制限：
・Uber Directを使用してUber Eats Japanの指定する規制品目の配達を注文することは禁止
・特に、以下に該当する処方箋薬はUber Directの配達は利用できない
1. 品質の保持（温度管理を含む）に特別の注意を要する薬剤
2. 早急に授与する必要のある薬剤
3. 麻薬や覚醒剤原料
4. 放射性医薬品、毒薬等、流通上厳格な管理を要する薬剤等
5. 1つの配達注文で患者への請求金額が20万円を超える薬剤
梱包：
・個人情報保護のため、処方箋の内容（個人情報や薬品の詳細）が配達パートナーには確認ができない梱包で実施
・配達元となる医療機関・薬局店舗の名称・住所等が判別できるラベルを梱包の外に添付
・医薬品の購入者宛の案内は、商品の梱包内に同封
配達手段：
・OTC医薬品を含む医薬品の玄関先への置き配達は禁止。購入者が届け先に不在の場合は、商品を医療機関・薬局店舗に返却
・処方箋薬の配達は配達証明として受け取り人による「署名」が必須
導入企業とプラットフォーム：
● 株式会社アイメッド（2024年春よりUber Directでの提供開始）：オンライン診療サービス「med. powered by Rakuten」
● 株式会社大賀薬局：大賀薬局
● おかぴファーマシーシステム株式会社：処方箋薬宅配サービス 「とどくすり」
● 株式会社メドレー（2024年4月上旬開始）：患者向け総合医療アプリ「CLINICS （クリニクス）」、調剤薬局向けかかりつけ薬局支援システム「Pharms(ファームス）」
展開エリアと医療機関・薬局店舗数：2024年内に日本全都道府県で、数千店舗の薬局で利用可能（サービス開始当初は、東京都と福岡市の対象店舗で利用可能）
（藤原秀行）
