ドイツ・ウィングコプター製eVTOL活用、陸路の3分の1の距離で到達
伊藤忠商事は6月24日、ドローンで北海道の内浦湾を横断し、医療機器を輸送する実証実験を行ったと発表した。同社によると、内浦湾をドローンが横断したのは日本で初めてという。
実験は医療機器・理化学機器の卸を手掛ける竹山（札幌市）、一般社団法人ドローン大学校（東京都港区三田）を共同実施者、ドローン関連事業を担うAIR WINGS（東京都江戸川区南篠崎町）を協力企業として実施。
伊藤忠が2022年3月に資本業務提携・販売代理店契約を締結したドイツのWingcopter（ウィングコプター）製のeVTOL（電動垂直離着陸機）型ドローン「W198」を使い、竹山が提供する急性期脳梗塞血栓回収に用いる医療機器などを空輸した。
また、室蘭市潮見公園（イタンキ浜）から茅部郡森町（森漁協）まで、陸路では約159kmで2時間以上要するところを、内浦湾を空路で横断することで3分の1の約50kmに短縮し、最短約28分で届けることができた。
伊藤忠はドローンを使った医療機器などの空輸を早期に実用化したい考え。
「W198」は最大積載量が4.5kg、標準的な巡行速度は時速90km。今年3月に海外メーカーとして国内で初めて、都市部上空を目視外で飛ぶ「レベル4」飛行に必要な第一種型式認証を国土交通省に申請、受理されている。
「W198」
輸送ルートイメージ（いずれもプレスリリースより引用）
（藤原秀行）
