デロイトトーマツ系のスタートアップ交流会、「猛暑対策・省エネ」の事業公表
デロイトトーマツグループのデロイトトーマツベンチャーサポート(DTVS)は7月8日、東京都内で、有望な技術やサービスを持つスタートアップの交流会を開催した。「猛暑対策・省エネ」をテーマに取り組んでいる3社のトップが登壇し、それぞれの事業を紹介した。
この中で、電力を使わずに最長で30日間低温をキープできる独自の保冷輸送ボックス「Avant-Cube」(アバンキューブ)を開発したアバンタス(東京都港区高輪)の桶田一夫代表取締役は、この保冷輸送ボックスを使うことで、安価な設備や車両で低温物流を展開できるようになり、脱炭素や環境負荷低減に貢献できると意義を強調。普及に注力している姿勢を示した。
また、Biodata Bank(バイオデータバンク、東京都渋谷区桜丘町)の安才武志代表取締役は、腕に装着することで搭載しているセンサーが体調異変をいち早く検知し、アラームなどで警告する熱中対策ウォッチ「カナリアPlus」をお披露目。
Greenphard Energy(グリーンファードエナジー、東京都港区海岸)の西山健人CEO(最高経営責任者)は、フィジカルAIやIoTの技術を活用して冷凍・冷蔵・空調設備の電力使用を最適化するエネルギーマネジメントサービスを報告した。

アバンキューブのイメージ(アバンタス公式サイトより引用)
アバンキューブはオリジナルの断熱材を保冷輸送ボックスの内側に取り付け、ボックス自体も密閉して冷気が漏れないようにする独自の技術を採用。電力を使わずに長時間保冷できるようにしている。断熱材は従来のものの10~25倍の断熱性能を持つと解説。保冷輸送ボックスには特殊な振動吸収装置を取り付けているほか、位置、温湿度、衝撃の数値を自動で取得するデータロガーも搭載している。

アバンキューブに用いる独自の断熱材(左)と、振動を吸収する防振ゴム
例えば、リーファーコンテナではなく一般的なコンテナでも、保冷輸送ボックスを使えばさまざまな温度帯をキープできるようになり、定温と冷蔵の荷物を混載することも可能で、輸送コストの低減につなげられると想定している。中小企業にも有効活用してもらえると期待を寄せる。
他にも、断熱のパネルユニットとして提供することで常温倉庫の冷蔵倉庫化、データセンターの断熱化などにも応用できると見込む。
国内の大手倉庫会社や低温物流企業などがアバンキューブに強い関心を寄せているという。桶田氏は「低コストの普通トラックで輸送が可能になり、輸送の頻度を大幅に上げられる。環境負荷の低減という意味でもお役に立てる余地は大きい」と意気込みを見せた。
熱中対策ウォッチ「カナリアPlus」は建設現場やプラントなどでの採用が広がっており、安才氏は「今後は物流業界にも積極的に利用を働き掛けていきたい」と語った。
Greenphard Energyは鈴与商事と資本・業務提携しており、技術に対して物流業界も関心を示しているという。西山氏は、制御が難しい産業用の冷凍・冷蔵設備の運営最適化を後押しすることで、既存の空調・冷凍・冷蔵設備をそのまま「新たな収益を生む設備」に変えられるとアピールした。
(藤原秀行)









