ファミマが「2024年問題」対応公表、コカ・コーラと店舗配送トラックを共同活用

ファミマが「2024年問題」対応公表、コカ・コーラと店舗配送トラックを共同活用

鉄道へのモーダルシフト推進、曜日別配送コースなども導入

ファミリーマートは7月26日、「2024年問題」対応の主な取り組みを公表した。

AIを活用した配送シミュレーターでルート最適化を進めているほか、他社との共同物流に注力。鉄道へのモーダルシフトなども展開している。ライバルのローソンともタッグを組んでいる。

AIを活用した配送シミュレーターを自社開発し、配送ルートの最適化(効率化)を促進。2022年10月から全国の定温センターで本格稼働を始め、配送コース数とトラックの台数を、それぞれ約1割削減する効果があった。23年10月からは冷凍配送に導入、全国に順次拡大しており、常温配送にも順次導入を開始している。

また、コカ・コーラ ボトラーズジャパンと連携。神奈川県の海老名市・厚木市を中心としたエリアにおける配送で、コカ・コーラ ボトラーズジャパンの店舗配送トラックの共同活用のスキームを構築し、今年2月上旬から物流面での協業を開始した。コカ・コーラ ボトラーズジャパンの店舗配送トラックが時間帯によって稼働していない時に、ファミマ店舗への常温商品配送に使用することで、同一車両を2社で有効活用することを目指している。

他にも、貨物鉄道輸送を活用したモーダルシフトを推進。プライベートブランド「ファミマル 新潟県津南の天然水(370ml、600ml)」について、今年4月から一部地域のファミマ物流センターへの納品に関して、貨物鉄道輸送を活用したモーダルシフトの取り組みを開始した。今後、コストや所用時間、品質保持に加えコンテナの積み替え状況などを総合的に判断しつつ、対象地域を順次拡大する。

共同輸送はライバルのローソンとも実施。東北地方の一部地域において、今年4月からアイスクリームや冷凍食品などを対象とした両社の物流拠点間の輸送を開始した。両社の商品を同じトラックに混載し、共同で輸送することで車両台数およびCO2排出量削減を目指す。

22年秋から一部冷凍センターで、曜日別配送コースを導入し、23年度から全国に拡大。曜日別に異なる発注量(物量)に合わせたコース設定を行うことで配送の効率的を推し進め、トラック台数を約5%削減できたという。常温配送でも同様の取り組みを導入している。

常温配送に関し、従来は商品を台車に積んで店舗へ運び、ドライバーが台車から商品を降ろして納品していたが、センターで店舗ごとに商品をかご車に積み込み、そのまま載せて店舗に納品する取り組みを拡大している。店舗の納品作業効率化につながり、ドライバーの負担軽減と納品時間の短縮も期待できるという。センターでの積み込み時間が約30分、店舗での納品作業時間が、各店舗当たり約10分短縮できると期待している。

(藤原秀行)

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