韓国のハンファと共同で開発・設計
商船三井は8月2日、韓国の造船大手Hanwha Ocean(ハンファオーシャン)と開発・設計に取り組んでいる、ウインドチャレンジャー(硬翼帆式風力推進装置)を搭載したメンブレン型LNG(液化天然ガス)運搬船について、一般財団法人日本海事協会から、基本設計承認(AiP)を取得したと発表した。
商船三井によれば、風力補助推進システムを備えたLNG運搬船として世界初の承認になったという。
ウインドチャレンジャー搭載LNG運搬船のイメージ(商船三井提供)
AiPを取得したLNG運搬船は、ウインドチャレンジャー2基を搭載した、世界中のLNG基地への入港が可能な汎用性の高い船型で、貨物槽容積は17.4万㎥。実搭載に向け、商船三井がHanwha Oceanに発注した新造LNG運搬船を対象に、現在詳細設計を実施している。
商船三井は日本海事協会、Hanwha Oceanとともにリスクアセスメントを実施し、帆の配置・視界影響・非常時の操作方法・その他安全対策などが総合的に評価されたことが、今回のAiP取得につながった。
貨物槽デザイナーを務めるフランスのエンジニアリング企業GTT(GAZTRANSPORT & TECHNIGAZ、ガストランスポート&テクニガス)による、帆の搭載によって生じる貨物槽への影響評価も今回のAiP取得に寄与しているという。
商船三井はウインドチャレンジャー搭載船を2030年までに25隻、35年までに80隻投入することを計画している。ウインドチャレンジャーをはじめとした風力推進技術を組み合わせた環境対応船隊の安全な管理・効率運航を通じ、自社グループからの温室効果ガス排出削減と社会全体の低・脱炭素化を図る。
本船概要
船主 |
株式会社商船三井 |
全長 / 全幅 |
約286メートル / 約46メートル |
貨物槽容積 |
約174,000立方メートル |
建造造船所 |
Hanwha Ocean Co., Ltd. |
ウインドチャレンジャー仕様 |
基数:2基 |
(藤原秀行)