名村造船所や三菱造船と、利用拡大見込む
商船三井は3月14日、名村造船所、三菱造船の両社と共同で2021年から開発を進めてきた、アンモニアを燃料として航行する大型アンモニア輸送船を対象に、一般財団法人日本海事協会(NK)からアンモニア燃料対応設計の基本承認(AiP)を取得したと発表した。
AiPは新規技術や既存規則が詳細に規定していない分野で、専門家によりリスク評価を踏まえた設計基本承認。
本船は脱炭素につながる燃料としてのアンモニアの利用拡大などを考慮し、大型LPG(液化石油ガス)・アンモニア輸送船(VLGC・VLAC)よりもさらに大容量の貨物槽を持ち、温室効果ガス排出が少ない低エミッション輸送を実現するアンモニア燃料への対応が可能。
商船三井は特に日本国内の主要な発電所への入港制限を満たし、かつ発電所やアンモニア供給基地と荷役時接続部の整合性などは既存VLGCとほぼ同等を確保した点で、画期的な船型だと説明している。
本件はNKによる基本計画図面の審査とリスクアセスメント(Hazard Identification Study、HAZID)の結果を基本設計へ反映させ、詳細設計まで完了した。HAZIDは主に懸念されるアンモニアの毒性に関する安全性を最優先に評価、検討し、十分な対策を施した設計を実現している。
(商船三井提供)
(藤原秀行)