日本紙パルプ商事が英国の紙・包装資材卸大手をグループ化

日本紙パルプ商事が英国の紙・包装資材卸大手をグループ化

効率的な在庫・配送機能を取り込み、海外事業にアクセル

日本紙パルプ商事は7月5日、英国で紙・包装資材などの輸入卸売事業を手掛ける「PREMIER PAPER GROUP 」(プレミア社)の株式60%をプレミア親会社「RADMS PAPER」から取得したと発表した。取得金額は約52億2200万円。

英国第2位の紙商社をグループに取り込むことでグローバルネットワークを戦略的に融合。英国のビジネスを拡大・発展させていく考え。また1年後をめどに残る株式の追加取得を行い完全子会社化するオプション権も保有している。

日本紙パルプ商事は中期経営計画で「海外卸売」事業を重点分野の一つと位置付けており、これまでも世界各地でM&Aによる同業他社のグループ化を推進。現在の海外グループ拠点は21カ国、94拠点に上る。

プレミア社の2018年12月期における売上高は2億3300万ポンド(318億8300万円)。480人の従業員と英国内に18カ所の拠点と約3000の顧客を抱え、徹底したローコストオペレーションの遂行とパッケージ、紙加工品、デジタルを含むサイン・アンド・ディスプレー分野など成長マーケットへの注力により増収増益を維持する優良企業だ。

英国の紙・板紙需要は年間約 850 万トンで大半を欧州からの輸入に依存。それに伴い在庫・物流機能を有する紙商社が重要な役割を担っている。今後の動向が注目される英国のEU離脱問題との関連・影響については「一時的な経済減速が予想されるものの、中長期的には英国全土を網羅する効率的な在庫・配送機能を持つ同社のプレゼンスがより一層高まる」との見方を示している。

(鳥羽俊一)

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