シノプスとBrewtope、クラフトビールのAI自動納品で提携

シノプスとBrewtope、クラフトビールのAI自動納品で提携

消費者レビューと需要予測で最適な売場実現を見込む

流通・小売業界向けにAI需要予測型自動発注サービスを展開しているシノプスと、クラフトビールの流通支援サービスを手掛けるBrewtope(ブルートープ、東京都目黒区東山)は4月23日、業務提携したと発表した。

小売店向けにクラフトビールの商品選定から発注、納品、商品レビューやPOS(販売時点情報管理)実績に応じた商品改廃までを完全に自動化し、店舗側は送られてきたビールを陳列するだけで済む「AIクラフトビール自動改廃・納品サービス」を提供する。



ほぼ手間ゼロで魅力的な売り場の整備を可能にする。今年5月にシノプスのサービス「sinops」シリーズを導入する食品小売業の一部店舗でテストマーケティングを始める。

個性豊かなクラフトビールは外食店舗の競争力を高める有力な商材だが、要冷蔵で通常のビールよりも賞味期限が短く、在庫管理に細心の注意が求められる上、国内のブルワリー数が急増して銘柄数は4000種類を超え、トレンドの移り変わりも激しいため、現場のバイヤーが最適な品ぞろえを維持し続けることは困難を極めている。

また、多くのブルワリーとの取引は電話やファックスといった個別対応が根強く残り、最低発注金額やロット数の縛りも多いため、仕入れの手間と廃棄リスクが導入の大きな足かせとなっている。

Brewtopeはこれまで、500を超えるブルワリーと直取引するネットワークを構築し、小売店のクラフトビールの棚を請け負うことで最適なクラフトビールを納品する「Otomoni Wholesale」(オトモニ・ホールセール)を通じて課題解決を図ってきた。

ただ、店舗とシステム的なデータ連携ができていないため、正確な販売実績や在庫数を把握するには、非常にアナログな運用を余儀なくされていたことから、シノプスとの提携に踏み切った。

国内120社・6700店舗以上に需要予測型自動発注を提供しているシノプスの予測技術と、500社以上のブルワリーネットワークと20万件超のリアルな消費者レビューデータを持つBrewtopeの強みを組み合わせ、これまで店舗側の負担となっていた商品選定から発注、納品、さらには商品改廃までの業務を完全に自動化し、AIが店舗の棚サイズやトレンドに合わせた最適な銘柄を自動選定する仕組みを実現する。



商品は1ケース24本の「混載納品」で届けられるため 、小規模なブルワリーの多彩な味を少量ずつ入荷することも可能。

在庫が少なくなったタイミングで、店舗の販売傾向と最新の消費者レビューを掛け合わせ、次の推奨銘柄をAIが自動で選定・改廃する。常に「今、その店舗で最も売れる」鮮度の高い売り場を、人手を介さず自動で維持できるようになると見込む。

初期負担を最小限に抑えるため、既存のEDI(電子受発注)の仕組みを活用することで経理処理の変更や新たなシステム開発を不要にしている。

さらに、万が一期限切れなどで廃棄が発生した際にも、廃棄ロス費用をBrewtopeとシノプスで一定割合まで負担する仕組みを設置。小売店は、在庫や廃棄のリスクを負うことなく高単価・高利益なカテゴリーを店舗に実装できるとみている。


サービスイメージ


自動納品を行ったクラフトビール売り場



両社はテストマーケティングを通じて「AI需要予測が現場の負担を消し、実店舗の魅力を引き出す」モデルを確立し、シノプスを導入する全国の小売企業に採用を呼び掛けていきたい考え。

(藤原秀行)※いずれも両社提供

テクノロジー/製品カテゴリの最新記事