三井不動産・三木常務執行役員、英米での物流施設開発に強い意欲

三井不動産・三木常務執行役員、英米での物流施設開発に強い意欲

現場業務改善のコンサル拡大にも積極姿勢

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三井不動産で物流施設開発の陣頭指揮を執る三木孝行常務執行役員ロジスティクス本部長は11月5日、東京都内で開いたロジスティクス事業の方針に関する記者説明会で、今後の事業展開として既に今年4月公表、着手したタイのほか、英国や米国でも施設開発を手掛けていくことに強い意欲を示した。

また、国内では2018年に物流業務効率化などのコンサルティングを担う会社を設立したことに言及。「単に床を貸すだけではなく(テナント企業と)一緒に課題解決へ取り組んでいくというスタンスが重要だと思っている。これからも積極的にやりたい」と述べ、引き続き取り組みを深めていく姿勢を明らかにした。


説明会に臨む三木氏

「街づくり型」開発、海外でむしろチャンス

三木氏は海外展開について「ロンドンは少なくとも東京と同じマーケットと感じた。需要も供給もあるので、ぜひ(事業を)やりたい。米国も西海岸や内陸部で今後の(展開していく)アセットとしては面白いのではないか。アジア圏もチャンスを見て、しっかりとやっていきたい」と意気込みを語った。

また、千葉県船橋市などで展開してきた、近隣住民も利用できる緑地を併設するなど地域との共生に重点を置いた「街づくり型」の物流施設開発をめぐり、「海外でむしろチャンスがあるのではないか」と語り、大型開発を検討していくスタンスを示唆した。

国内の賃貸物流施設マーケットに関しては「荷主企業で物流のコストが下がり生産性が上がるのは会社の利益につながると思われている経営トップが最近多いように感じている。景気が悪くなったから物流需要が減るということはあまり感じていない」と分析。eコマースの需要拡大に伴う先進物流施設の利用ニーズも見込めるとして、引き続き市場拡大が期待できるとの見解を述べた。

「海老名の施設はトラック自動運転対応検討」と私案

また、今後の開発計画を発表した5棟のうち、神奈川県海老名市で建設する「三井不動産ロジスティクスパーク海老名(MFLP海老名)」は、東名道や圏央道の海老名ICに近接している点を踏まえ、将来のトラック隊列走行による自動運転へ対応可能な造りとすることを個人的なアイデアとして披露。政府や自動車メーカーなどの取り組みを見ながら検討していく可能性に言及した。

注視していく分野としては、東京湾岸部で老朽化が指摘されている冷凍・冷蔵倉庫の開発を挙げたほか、データセンターなどにも強い関心を示した。さらに、業務・資本提携を発表したスタートアップ企業のHacobuが担っている物流施設のトラックバーク管理効率化ソリューションを三井不動産の全拠点へ展開していくことにあらためて決意をのぞかせた。

(藤原秀行)

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