【独自取材】AI搭載フォークリフトで入出荷自動化、エネルギー消費抑制効果も期待

【独自取材】AI搭載フォークリフトで入出荷自動化、エネルギー消費抑制効果も期待

大和ハウスや花王、イオングローバルSCMなど5社の実証実験、トラック待機解消し15%削減目指す

大和ハウス工業と豊田自動織機、花王、日立物流、イオングローバルSCMの5社は9月、AI搭載の自動運転フォークリフトを活用した物流施設の入出荷作業効率化に関する実証実験を開始した。

既に5社が公表している通り、経済産業省資源エネルギー庁が進めているAIやIoTなどの先進技術を生かして輸送効率化を図る公募事業に採択、補助対象となった。花王とイオンがそれぞれ運営している物流拠点を活用。自動運転フォークリフトで納品トラックの荷積み・荷降ろし作業を無人化するとともに、トラックの運行計画とも連携させ、ドライバーが物流拠点で長時間待機を強いられるのを解消することを目指す。

公募事業の期間は2023年度まで。5社はトラックの運行効率化により、エネルギー消費量を効率化前に比べて15%減らすことを目標にしている。まず22年3月までの間に、自動運転フォークリフトで確実に荷物を積み降ろしできるよう技術の確立などを図る計画だ。


AI搭載の自動運転フォークリフトによる荷物積み降ろし作業自動化の様子(各社提供)

他社も使えるプラットフォーム化が理想

実験は花王の工場・物流拠点から日立物流が商品を輸送、イオングローバルSCMの物流拠点に運び込む過程を対象として行う。着荷主となるイオングローバルSCMは香川県坂出市で運営している「イオン四国ロジスティクスセンター」(四国LC)などを活用することを検討。発荷主側の花王は対象の物流拠点の絞り込みを進めている。

従来は物流拠点の入出荷はいまだに人手がメーンのため、所用時間が変動し荷物の発着時間を確定するのが厳しいのが実情で、トラックの長時間待機につながっている。

そのため、自動フォークリフトを生かして荷物の積み降ろしを自動化することで作業のスケジュールを確定、荷物の発着時間が事前に想定できるようにする。さらに荷主企業と物流事業者の間で発着時間などの情報を共有すれば、トラックが長時間待つ必要もなくなると見込む。5社が見込むオペレーション自動化を確立できれば、トラックの待機時間は現状の3分の1から4分の1程度まで短縮できる可能性が出てくるという。

22年度にはパレットに荷物を積み上げるパレタイズロボットや、車体と荷台を分離できるスワップボディコンテナ車両と連動させ、より効率的かつ迅速に入出荷作業を終えられるようにすることを目指す。最終の23年度には、一連の自動化オペレーションが、他の荷主企業や物流事業者も使えるプラットフォームとして確立していることが理想になる。花王とイオングローバルSCMの他の拠点に横展開することも期待される。

プラットフォーム化が実現すれば、併せて、物流施設も最初から自動化に対応した仕様を意識して開発していくことが求められそうだ。5社の共同実験は物流施設開発の在り方を大きく変革する可能性を秘めている。


実証実験の概要(5社提供)

(藤原秀行)

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