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物流施設、大量供給受け需給バランス緩みへの懸念強く

物流施設、大量供給受け需給バランス緩みへの懸念強く

CBRE投資家意識調査、冷凍・冷蔵倉庫への注目度上昇も

シービーアールイー(CBRE)は2月25日、デベロッパーや投資ファンド、金融機関などを対象とした投資家意識調査結果を公表した。

物流施設に関しては依然、投資家の関心が高いものの、大量供給を受けて需給バランスが崩れることへの懸念も強いことが浮き彫りとなった。また、伝統的な投資対象のオフィスビルなどに加え、新たな領域としてデータセンターや冷凍・冷蔵倉庫への注目度が上昇していることも分かった。

調査は2021年11~12月に実施。日本からは173人が回答した。

需要堅調でオフィスビル回帰

2022年の不動産取得額が21年より増加するとの見通しを示した日本の投資家は54%で、21年調査時の41%から10ポイント上昇した。「昨年と同じ」は38%、「減少する」は6%、「取得予定はない」が2%だった。

売却額についても、「昨年より増加する」が24%で、21年調査時から8ポイント上昇。「昨年と同じ」が48%、「減少する」が6%、「予定はない」が22%だった。新型コロナウイルス感染で停滞した経済活動の再開に伴い、不動産取引の意欲が旺盛になっているとみられる。

CBREは22年の投資額が21年を10%程度上回るとみている。

22年の主な投資対象として魅力的なアセットタイプを聞いたところ、オフィスビルが39%で、最も高くなった。21年はトップだった物流施設・インダストリアル(産業施設)は26%で、21年調査時から7ポイント低下した。

住宅は20%、コロナ禍による外出自粛で利用が減っていることが響いてホテル・リゾートは6%、リテール(商業施設)は4%にとどまった。

オフィスビルはコロナ禍に伴う在宅勤務の普及などで需要が落ち込むと予想されたものの、懸念ほど減少していないことが投資家の心理を好転させ、伝統的なアセットのオフィスビルに回帰しているとみられる。物流施設はオフィスビルの代替として選ばれていた側面も強かったようだ。

物流施設投資に関する主なリスクを尋ねたところ(3つ回答)、「大量の新規供給」が61%で最も多く、「現在の堅調な賃貸需要がいつまで続くか」が5割超、「想定以上に利回りが低下すること」が4割超などと続いた。最近の大量供給傾向を受け、投資家の間で需給バランスが緩むことへの懸念が根強いことが浮き彫りとなった。

CBREは「物流施設の需給バランスが大きく緩和する可能性は低いと予想している。とはいえ、テナントの選択肢が拡大している中で、物件によってはリーシングに時間が掛かるものも出てこよう。投資市場においても立地や物件の仕様などにより価格差が広がる可能性はある」と分析している。

一方、積極的に投資しているオルタナティブ(新しい)アセットを聞いた結果(複数回答)、データセンターが24%で最も多く、21年調査から14ポイント上昇。コロナ禍によるリモートワーク増加でクラウドサービスの利用が広がっていることなどから、投資家の関心が高まっている。続いて、冷凍・冷蔵倉庫が23%で19ポイント上昇。学生寮・学生マンションが20%で6ポイント上昇などと続いた。

(藤原秀行)※グラフはいずれもCBRE資料より引用

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