燃焼時もCO2排出しない次世代燃料として期待
山九は7月25日、アンモニアの生産技術開発を手掛ける東京工業大学発のスタートアップ、つばめBHB(東京都中央区)が発行する新株予約権を引き受け、資本参加したと発表した。具体的な出資額や出資比率は開示していない。
つばめBHBは2017年設立。消費する場所で必要な量のアンモニアを生産するオンサイトアンモニア供給システムの実用化を進めている。同大の細野秀雄栄誉教授グループが開発した「エレクトライド触媒」を用いることで、既存の技術より低温・低圧でアンモニアが合成できるため、プラントの小型化、アンモニアの地産地消が可能になるという。
さらに、従来のCO2を大量に排出するハーバー・ボッシュ法によるアンモニア合成に比べ、環境負荷の軽減にもつながると期待されている。
アンモニアは燃焼してもCO2を排出しない次世代燃料として電力の脱炭素化への貢献が期待されている。また、電力・非電力双方の脱炭素化への貢献が期待される水素の輸送・貯蔵における水素キャリアとしての活用も有望視され、今後一段と需要が拡大すると予想されている。
物流・機工・構内操業支援を融合させたサービスを通じて、つばめBHBの革新的な触媒技術を用いたソリューションとビジネスモデルの展開をサポートし、脱炭素の社会的な要求に応えていきたい考え。
(藤原秀行)