1日の休息期間「継続11時間以上基本、下限9時間」に
厚生労働省は9月8日、東京・霞ヶ関の同省内で、労働政策審議会労働条件分科会自動車運転者労働時間等専門委員会のトラック作業部会（部会長・藤村博之法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科教授）を開き、ドライバーの労働時間などを規制する「改善基準告示」の改正に関する報告書案を提示、委員の了承を得た。
近く開催する上部の専門委員会に報告する。厚労省は今年12月をめどに、バスやタクシーのドライバーの部分も含めて改善基準告示を改正したい考え。
トラック作業部会の会合
焦点の拘束時間は前回の会合で労使双方の代表の委員が合意した通り、現行の「年間3516時間」を「原則3300時間」に短縮。1カ月当たりでは現状の「原則293時間、最大320時間」を「原則284時間、最大310時間」に変更する。それぞれ284時間を超える月が3カ月を超えて連続しないようを定めるなど、例外規定を見直す。
1日の休息期間は現行の「継続8時間以上」から「継続11時間以上を基本とし、9時間を下限」に修正。例外として長距離・泊り付きの場合は運行を早く切り上げ、ドライバーがまとまった休息を取れるよう例外を細かく規定する。
前回、労使の委員から懸念が出るなどして合意に至らなかった、連続運転時間や分割休息の特例、2人乗務時の特例についても労使委員が歩み寄り、報告書案を受け入れた。
連続運転時間は、「当該運転の中断は原則休憩とする」と明示。高速道路のSAやPAが混雑するなどして駐車・停車できず、連続運転時間が規定の4時間を超える場合、30分まで延長できると設定している。
分割休息をドライバーに与えられる場合について、現行の「継続8時間以上の休息期間を与えることが困難な場合」を「継続9時間以上」に修正。その場合は1回当たりの分割休息は継続3時間以上などと定めている。
2人乗務時の特例として、拘束時間を24時間まで延長できる条件に、車両内に長さなどの条件を満たしたベッドか、ベッドに準ずるものがあることを盛り込んでいる。
改正のポイント（厚労省資料より引用）
（藤原秀行）
