交通整理方法も検証、安全確保と受容性向上目指す
JFEスチールとIHIは12月21日、既存構内搬送車両への後付けユニット搭載による自動搬送システムの実証試験を、JFEスチール東日本製鉄所京浜地区（川崎市）の構内で2023年2月から実施すると発表した。
IHIはトラックドライバーの労働力不足や労働環境改善を目的とした工場構内搬送車両の自動化技術の開発に取り組んでおり、2019年度からはJFEスチールとシステムの実運用に向けた共同研究を開始。走行・転回・停止に関する基本的な自動化機能の開発を完了した。
両社は開発を実環境で検証するため，製鉄所内の搬送ルート（約3km）の一部区間で，100tの実貨物を積載したトラクタトレーラーを用いた搬送試験に踏み切ることにした。
自動搬送車両
自動搬送試験ルートのイメージ図
実証実験ではルート上の交差点や横断歩道に標識などの設置と信号制御を行い、他車両や歩行者へ自動搬送車両の接近を知らせる適切な交通整理方法も検証。より安全な搬送工程の実現と受容性の向上を図る。
併せて、車載周囲物体検知センサーの数量・設置箇所などの仕様検討も進め、2023年度に全区間での実証試験完了を目指す。
今後は同製鉄所京浜地区でシステムを複数ルート・複数車両に展開し、革新的な生産プロセスの実現につなげていきたい考え。
試験様子（いずれも両社提供）
（藤原秀行）
