8t以下のトラック、「特定荷主」は30年度までに電動比率5%

8t以下のトラック、「特定荷主」は30年度までに電動比率5%

経産省、改正省エネ法踏まえ目標設定へ

経済産業省は12月22日に開催した総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機会)の省エネルギー・新エネルギー分科会省エネルギー小委員会 荷主判断基準ワーキンググループ(WG)で、産業界の温室効果ガス排出抑制のため、製品や原材料の輸送量が多い荷主企業に対し、2030年度までに使用している車両総重量8t以下のトラックのうち、電動トラックが占める比率を5%まで高める目標を設定するよう求める案を提示、了承を得た。

今年5月の通常国会で成立した改正省エネ法に沿って、石油などとは異なる「非化石エネルギー」の利用を促進する具体策と位置付けている。

改正省エネ法は、年間の貨物輸送量が3000万トンキロ以上の「特定荷主」に対し、30年度までに利用するエネルギーを非化石由来のものに転換していくための中長期計画を作成するとともに、その進捗状況を定期的に報告するよう義務化することを盛り込んでいる。23年4月1日に新制度を施行する予定。特定荷主はメーカーや大手小売事業者など約800社に達する。

経産省の提案は、電動トラックの範囲としてEV(電気自動車)、FCV(燃料電池車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)、バイオ燃料や合成燃料を使う車と設定し、HV(ハイブリッド車)は対象外。特定荷主のうち、自家輸送していたり、特定の物流企業などに輸送を依頼していたりする場合が目標設定の対象となる。

荷主の取り組みが非常に不十分と政府が判断した場合、より対応を強化するよう勧告し、具体的な社名を公表することも可能にする方向だ。

一方、8t以上のトラックに関しては引き続き、電動車に関する目標の内容を検討することを打ち出している。また、経産省が既に提示していた、特定荷主の物流拠点で電動トラックの充電インフラを整備するよう求めることについても、数値目標を引き続き検討することを示した。

(藤原秀行)

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