ゼロエミッション化実現
丸紅は3月16日、旭タンカーと共同で進めている、旭タンカーが運航する世界初のピュアバッテリー電気推進タンカー(EVタンカー)「あさひ」を活用した温室効果ガス排出削減の取り組みが、CO2の排出量を国が「クレジット(経済価値)」として承認する「J-クレジット制度」の認証委員会で、3月15日付で承認・登録されたと発表した。
丸紅と旭タンカーは、創出したクレジットを企業などに売却し、得た資金を環境負荷低減の設備投資などに充てることができる。
一般的に、タンカーは重油を動力源としており、温室効果ガスの排出が地球環境への負荷となるため、脱炭素化が強く求められている。丸紅は2022年10月、「あさひ」を船舶向け燃料輸送船として用船し、京浜港湾内の船舶燃料販売に活用している。
動力源を従来の重油から大容量リチウムイオン電池に切り替え、かつ電力供給にも再生可能エネルギーを活用することで、燃料輸送船の運航に関するCO2やNOx(窒素酸化物)、Sox(硫黄酸化物)、煤煙など温室効果ガスのゼロエミッション化を達成している。
丸紅は2021年3月に気候変動長期ビジョンを策定、中期経営戦略「GC2024」でもグリーン戦略を企業価値向上に向けた基本方針の1つに位置付けている。これまで15年以上、クレジットの創出や売買に携わっており、温室効果ガス排出量の算定やJ-クレジットの申請・販売に関するノウハウを蓄積してきた。
今後も旭タンカーと協業し、海運業界の温室効果ガス排出量の削減に貢献していくことを目指す。
<「あさひ」概要>
(1)寸法 | 全長62.00m / 全幅 10.30m / 型深さ4.70m |
(2)船級 | ClassNK 日本海事協会 |
(3)積載貨物 | 重油 |
(4)総トン数 | 492トン |
(5)速力 | 約10ノット |
(6)タンク容量 | 1,277㎥ |
(7)推進装置 | 川崎重工業株式会社製 川崎バッテリーシステム アジマススラスター 300kw x 2基 サイドスラスター 68kw x 2基 |
(8)バッテリー容量 | 3,480kwh |
(藤原秀行)※プレスリリースより引用